ダンフォース×チェスター近くに、雰囲気が良いと地元の女性に人気のカフェ・レストランがあると聞き、早速足を運んでみる事にした。なるほど、噂通り活気があって雰囲気も良い。どうやら、店内奥にある大きなメニューの辺りで食べたいものを注文してから席につくシステムらしい。メニューを前に優柔不断になっていると「ハム、チーズ、トマト&アボカド入りクレープやチキン・エンチラーダがお勧めよ」と、オーナーのみどりさんが助け舟を出してくれた。
ユニークな国際食
それでは…と、両方とも注文。お勧めを教えてくれたオーナーの彼女はペルー生まれの日系人。「両祖父母ともに日系人だから日本語もちょっとできるのよ」と言いながら自分の名前を上手に紙に書いてくれた。そんな彼女のユニークなバックグラウンドがモカ・モカのメニューにも反影されている。生まれ育った南米ペルーの味がそのベースとなっているようだが、その中にも彼女の『家の味』であるアジアの味を引き出すような調味料を巧みに使用しているのが分かる。そのチラリと見えるインターナショナルぶりが実に新鮮。そこに料理学校時代に学んだテクニックなどを上手くブレンドし、国際色豊かなトロント市民に国際食の数々を紹介しているという訳だ。
例えば『ハム、チーズ…クレープ』は、フランス生まれのクレープに南米では食卓の友と称しても過言ではないサルサを添え、仕上げにペルーでよく使用されている香菜やアボカド、トマトをタップリあしらって南米らしい色彩に作り上げている。そんな風に、思い掛けない料理がここにはあるのだ。
遠く南米を思わせる色と味
もちろんチキン・エンチラーダも類に漏れず、南米の澄んだ蒼空を想像させるような鮮やかな仕上りとなっている。そしてあっ、と目を引くのは、そのサラダの量と盛りつけの艶やかさだ。葉野菜に加えてフレッシュな実野菜が盛りだくさんで言う事なし。このヘルシーさが女性に人気の所以なのであろう。
毎日のように食卓に上る、ペルーのお袋の味には欠かせない食材でもあるというアボカドも、もちろんエンチラーダの上にコロコロと散りばめられている。柔らかいコーントルティーヤ(トウモロコシの粉で作られた薄焼きパン)に包まれているのは、下味が付けられたチキンと食べ応えある黒豆ペースト。その上には甘く仕上げられた自家製のトマトソース(お店で瓶詰め購入可)がたっぷりとかけられ、そのまた上にはチーズがトロ〜リ。サイドにはスパニッシュライスまで付いてくる、というこのボリューム。軽い夕食として楽しむのに最適だ。
メキシコのビールなんかを片手に、南米の色と空気を想像しながらMocha Mochaでユニークな国際食を楽しむ夕べ、そんな計画を友達と練ってみてはいかがだろうか。
〈文・写真/岸 黄葉〉
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Warm brown rice salad($7.75)▲
昼食に来る奥様方に人気のヘルシーな一品。おこわご飯をイメージしたブラウンライスはごまの香りに包まれ、野菜と一緒に可愛らしく型取りされている。自家製ドレッシング(購入可)と共にいただくのが◎。 |
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Spicy chick-pea-guacamole($6.80)▲
ヒヨコ豆とアボカドを絶妙にミックスさせピリ辛に仕上げたペーストを挟んだベジタリアン・ピタサンド。生野菜がタップリ入っているので心地よい満腹感が得られる。 |
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▲オーダーはカウンターで先に済ませるシステムを取っている。 |
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