美味しいレストランがひしめき合うトロントだが、お気に入りの店を探すのは意外と難しい。くつろげる雰囲気の中で、ゆっくりお茶が飲めて、美味しいデザートがあって、バラエティーに富んだランチやブランチメニューのあるお店…そんな我がままな私の望みを叶えてくれるのは「3's
Company Cafe」。毎日でも通いたい、そんな素敵なカフェだ。キャロリンとテリー、2人の女性オーナーが切り盛りするこの店は、手作りのクッション、フレンドリーなスタッフ、そして、お客さん同士も挨拶を交わし合うような気取らない雰囲気が何よりも心地よい。
たっぷり入ったスモークチキンに大満足!
キャロリンが勧めてくれたのは人気メニューのひとつ「スモークチキンとクランベリーのトルティーヤラップ」だ。サッパリとしていて軽い食事にピッタリ、味が良いだけでなく、思わず手に取ってみたくなるような見た目にも美しいディッシュだ。ほうれん草が入ったトルティーヤでくるりと巻かれたこのラップロール、クランベリーがチキンの中からのぞいていて、とても可愛らしい。4本はちょっと多すぎるかなぁと思いつつ、まずは1本目を手に取って、思い切り良くかぶりつく。スモークチキンの香りとクランベリーの控えめで爽やかな甘さが口いっぱいに広がる。みじん切りにしたネギを加えてマヨネーズで和えた鶏の胸肉は、ジューシーだけどとってもライトな味わい。北米料理によくある、マヨネーズのオイリーな感じはなく、あっという間に1本目を食べ終えてしまった。
ビタミン、ミネラル、ポリフェノール…美容にも良い赤い果実
グリーンのトルティーヤとホワイトチキンに彩りを添えているのは、ビタミンなどの栄養素も豊富な赤い果実、クランベリー。「サンドライド・クランベリーと言って、自然のまま天日干しされたものなの。砂糖などで甘みを加えてあるわけじゃないのよ」なるほど、クランベリー特有の酸っぱさが和らいで、ぎゅっと凝縮された天然の甘みがラップロールの中で生きている。
全く飽きのこない味で、あっという間に4本完食! 野菜不足が気になる時には、サイドオーダーのサラダやスープ(各2・95ドル)を加えて楽しむことも出来る。季節や仕入れの状況で内容は少し変わるが、新鮮なグリーンを何種類も使ったサラダはホームメイド・ドレッシングでいただこう。お勧めは、蜂蜜の甘さとバルサミコ酢の爽やかでリッチな味わいが癖になるハニー・バルサミコ・ドレッシング。他にも甘くてスパイシーなハニーディジョンオイルや、フルーティーなシトラスドレッシングなどがある。
共同経営者、同席者、お客さん、そして仲間という意味を持つ「カンパニー」。「3's Company Cafe」はもちろん、テリー、キャロリン、そしてお客さんを意味している。お客さんを家族のように大事にしている彼女達の作り出すヘルシーフードを楽しみながら、心も体もリラックスしたひと時を過ごしたい。
〈文・写真/大村 絵理〉
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