ロマンティックでちょっと気の利いた料理を出してくれるレストランというと、イタリアンやフレンチを想像しがちだが、インディアン・レストランはどうだろうか? レストラン激戦区のリーサイドにあるインディアン・レストラン「AMAYA」は、オープンして1年という新しさながら、連日予約でいっぱいという人気のレストラン。インド料理の基本と伝統を守りながらも、新しいアイディアやスタイルを積極的に取り入れたモダン・ファイン・ダイニングだ。
ココナッツカレー、 辛みと甘みとコクがクセになる
ひと言でインド料理と言っても色々ある。牛乳やヨーグルトをよく使う北インドに比べて、南インドではココナッツを使った料理が多い。また、油をあまり使わないサッパリした料理が主流で、肉を食べない人のためのものも多いらしい。今回紹介する海老とロブスター入り豪華カレーも、デイリーフリー(乳製品不使用)の南インドスタイルの一品。
まずはカレーのベース作りからスタート。たっぷりのオニオン、ガーリック、ジンジャー、チリ、カルダモンなどの香辛料を使用。カルダモンは爽やかな香りで、体力増進や消化促進などの効用もあるカレーには欠かせないと言われる基本スパイス。これらを合わせてじっくりとローストすることで、それぞれの素材の風味と香りを最大限に引き出す。次に長時間掛けて作ったホームメイドのチキンストックを加え、ぐつぐつと煮詰めていく。ダシの効いたベースが出来上がったらココナッツミルクを加える。海老とロブスターはそれぞれベジタブルオイルで軽くソテーしておくが、新鮮で上質なシーフードの旨味と食感を壊してしまわないように、火を通しすぎないのがポイントだという。カレールーとシーフードを軽く合わせて、仕上げにチャイブとレモンを添えたら出来上がりだ。
まずは、ひと口では食べきれないサイズのロブスターからいただきま〜す。プリプリの身がココナッツミルクのほんのり甘い香りとマイルドな辛さにマッチして、絶妙なバランス。時間をかけて煮詰めたチキンストックのクリーンな味がメインではあるが、深みのあるダシがちゃんと効いているのが分かる。インド料理は辛いというイメージだが、これなら激辛が苦手の方でも十分に楽しめる味わいだ。
サイドディッシュにもこだわり…
カレーと言えばライスやナン(共に別オーダー)でいただくのも美味しい。可愛らしいポットに入ったライスはインド産バスマティライス、粘りが無く細長いお米だ。サフランを入れて炊いたご飯にカルダモンシードが加わり、カレーと一緒にいただくとプチプチとした食感が楽しめる。また、この店ではナンも大人気。その美味しさが話題になり、スーパーのLongo'sから提携して欲しいとの依頼が舞い込んだとか。しばらくすると「AMAYAJI」という商品名で販売されるとのことだ。
料理自体だけでなく、盛りつけやサービスにも気配りがあり、おしゃれでいながら気取らないフレンドリーな雰囲気のファイン・ダイニング、様々なシーンで頼りになってくれそうな素敵なレストランだ。
〈文・写真/大村 絵理〉
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