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コラムバックナンバー 2003年特集記事

008「道頓堀はドブ川です。」

photo昔と言っても結構最近だが、日本で「クラクション殺人」というものがあった。後方車のクラクションに腹を立てた前方車の運転手が車から降り、クラクションを鳴らした後方車の運転手を刺し殺すという、カルシウム不足だけが原因とは思えない、何とも悲惨な事件だ。その事件以来、人々はクラクションを鳴らすのを躊躇するようになった。単なる前方へ送る警告であった筈が、鳴らされた側の殺意を招く結果となるとはまさか思いもしない。そんな事件の犠牲者の弔いか、若しくは冒涜ともとれる程、街がクラクションで溢れ返る日があった。

カナダがアイスホッケーのワールドカップで優勝したあの日だ。彼等にとってこれ程喜ばしいことはないようで、特に決勝戦がトロントで行われたこともあるのだろうが、試合後の街の様子は尋常では無かった。人々は車道をホコテン(歩行者天国)かのように歓喜の声を上げながら横行し、車に乗る人間は窓等から身を乗り出しカナダの国旗を広げ、クラクションを本来の目的から完全に外れた使い方で鳴らしまくっていた。止まっているタクシーのクラクションを無理矢理鳴らそうとする人もいるぐらいで、それを拒否したタクシーは唾を吐きつけられていた。まぁ結果的に色々あって19人程が逮捕されたようだが、喜びを表現した結果が実に喜ばしくない結果に繋がったという、何ともお粗末な話である。

たとえ木村拓哉のあのドラマを全て見ていたとしても(まぁキムタクのドラマは何故か義務感に駆られて、あすなろ白書以来ほぼ全部見ているが)、アイスホッケー自体に全く馴染みの無い私には、カナダがワールドカップで優勝したなど、正直言って「つのだ☆ひろ」の「☆」ぐらいどうでも良かったりする。しかも、バイト終りで疲れ切った私にとっては、あのクラクションの音は騒音を通り越して、大型マンションの建設現場が放つ騒音に悩まされている周辺の建設を反対する住民並みにノイローゼぎりぎりで、公害の域に達していた。

流石に殺意とまではいかないにしても、不愉快なことには変わりなかった。先ず何が分からないって「カナダがホッケーで世界一になった→物凄く嬉しい→カナダの国歌を歌う→クラクションを鳴らす」何故このような感情の動きになるのか全く意味が分からない。その点、大阪人は自分達の喜びをこのような、人に迷惑になるような形では決して表現しない。ある意味、世界一喜びを表現するに長けている人種かも知れない。「阪神が優勝した→ごっつ嬉しい→六甲おろしを歌いまくる→道頓堀に次々と飛び込む→何人か逮捕」

結局どっちも捕まっとるがなっ!

最終更新日 : [10/19]
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