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コラムバックナンバー 2003年特集記事

010「我が母奇特カナダ来る」

photo先日、日本から「紅葉を見たい」と両親が尋ねて来た。紅葉なんか日本で充分見れるやん! と私なんかは思ってしまうが、「せいいっぱい」を「性一杯」と打って送ってきたメールに「精一杯やろ! 性では変な意味になってまうがな!」と突っ込むと「性は、失敗。年寄りで元気はない」とあっさり返してきたオトン・オカンからオジイ・オバアと化した両親からすれば、異国で見る紅葉に特別な想いを抱いてしまうのは自然なことなのかも知れない。また、トロントからバスで一時間半程揺られれば『ナイアガラの滝』が見れるとあれば、益々来たくなってしまうのであろう。四季の中で秋が一番嫌いな秋生まれの私にとってはイマイチ理解し難いが、旅行会社にとっても秋が最も忙しい時期と云うだけあり、メープルの木々が美しく色付くのを見たがる人は実に多いようである。

散り落ちて行く前に葉っぱが赤く変色するのと、死ぬ直前に人間が青白くなるのと同じように思えて仕方なく、寂しさが漂い過ぎる上、寒い冬の到来を予感させ、妙に人恋しくさせる秋がハッキリ云って私は憎い。

それでも両親が来るとなれば、放っておく訳にはいかない。個人旅行で来た彼等にとっての現地ツアーガイドは当然の如く私になる訳だが、TTCを利用した空港までの送迎に始まり、トロント一日観光案内、全日程のホテルの予約から何から何まで全て私がするという超小規模(社員一人)の旅行会社状態であった。

ナイアガラに行くと、木々は時期尚早と云うこともあり紅葉には程遠く、所々黄色がかり始めたぐらいではあったが、町全体は大勢の日本人ですっかり黄色化していた。そんな「ナイアガラ黄色化運動」の隊員達の大半は女性で、年齢的には物の見事に紅葉を通り越し枯葉に近い状態であった。ある意味、ナイアガラは素晴らしく紅葉していたように思う。ただ、その紅葉はいろんな意味で美しさを超えていた。

『ギブミーチョコレート』から英語を始めたと思われる隊員達は、誰にぶつかっても『あっ、すいません』と日本語で対応し、知っているカタカナ英語で全てを済まそうとして、ビールを頼んだのに請求書(ビル)が来たと困惑していたりする。そしてJourney Behind The Fallsにて、清楚なご婦人隊員達が虹の掛かり続ける滝を真近で眺め見、『うわぁ〜! 綺麗!』と、何とか言葉でその美しさを表現しようとするが、(全員に配られる)黄色い合羽を着用している姿は新種の妖怪にしか見えず、一隊員の銀歯は虹よりも輝いていた。そんな、同じ日本人であることに少々恥じらいを感じている私に、我がオカンは滝を目の前に感動しながら言った。

「凄いなぁ〜っ!…これ人工か?」

最終更新日 : [11/18]
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