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コラムバックナンバー 2003年特集記事

012「濃い人達のクリスマス」

photo『コスプレ』とは、アニメやゲームなどのキャラと同じような衣服を着て、そのキャラになりきる行為のことを指す。『コスチューム・プレイ』が略されて出来た言葉というだけでも、妙に陰気な感じがしてならないのに、それが今や「性生活マンネリ化対策」兼「欲望願望欲求解消」という流れに乗り性風俗へと発展して行き『プレイ』の意味が完全に変わりつつある為、淫猥な雰囲気すら感じてしまう。然し、そんなイメージも、ハロウィンという行事に掛かれば、何てことは無いただの童心に帰ろうとする大人達の愉快で陽気な仮装行為と見なされ、逆に手が込んでいればいる程、人々の賞賛を集めることになる。

貧乏性を通り越した貧乏症な私にとってハロウィンとは、(人に投げつけるぐらいなら、大量のトマトソースを作って人に配った方が幾らか意味があると思ってしまう)スペインのトマト祭りに次ぐ『食材を粗末にする祭り』であり、「カボチャで顔の形の提灯を作ったりするぐらいなら、3cm角に切って麺つゆ・水・砂糖と混ぜて電子レンジでチンして、『かぼちゃのレンジ甘辛煮』でも作ってホームレス等に差入れた方が幾らか意味がある」と思ってしまう。
他所の子供がお菓子を求めて家に来るのなど、新聞の勧誘以上に迷惑な話だと思ってしまう程のアンチ・ハロウィン派な私だが、極寒の中、女性たちが身を挺してまで大胆な仮装をすると聞けば、「今年のクリスマスこそは彼女と一緒に!」と心から願う淋しい一人の男として、ハロウィンパーティーに、仮装してでも行かない理由が無かった。

然し、私にとって「仮装」とは、基本的に「女装」なのである。
*女装…笑いの芸術方程式のひとつ。「女装で笑わすのではなく、女性として笑わすことが出来たとき、歌舞伎の中にも見られるようにこれは一種の芸術となる」プロフィール写真もお婆ちゃんという桑原和男はこの分野において西の匠とされている。
(民明書房刊「日本一の吉本新喜劇」より)

日々、匠を志す私にとって手抜きは許されない。足の毛を全て剃り、ミニスカートを履き、下着は黄色のパンティーという完璧な状態でパーティーに参加することにした。流石にここまで気合の入った仮装者は他に居ないと見えて女性の方から私に積極的に声を掛けて来てくれるという実に喜ばしい状況に恵まれ、『沢山の女性に囲まれた夢のようなクリスマス』を想い描いたが、その女性達は明らかに私よりも大柄で声は低く、確実に違う世界の住人達であった。

この時、私の女装は単なるコスプレに分類され、一種のゲイ術となった。
ここで一句。「恋人達のクリスマス。今年も私は一人のようです(字余り)」

最終更新日 : [12/15]
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