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コラムバックナンバー 2003年特集記事

021「未来人間“苦労Z!”」

photo英語での会話上で苦労するのが、一つの言葉が持つ幾つもの意味を整理し、使い分けることである。「stay in the closet」など、直訳すれば単純に”押し入れに寝る“というドラえもんが毎晩していることで大した事ではない。然し、実際にはこの言葉の裏に「同性愛者であることを隠している」という意味が存在する。確かにあの声の担当は女性だが、彼はロボットであってそういう存在では無い筈である。

私の母親は外国人に”ドラえもん“のことを「日本のミッキーマウス」と説明していたが、ネズミが大嫌いな彼にすればこれ程屈辱的なことは無いであろうとドラえもんに同情していた。然し、あれ程素晴らしい夢のような存在の「未来の世界の猫型ロボット」が”あやとり“ぐらいしか取柄の無い駄目人間のび太の部屋の押入れに寝泊りしているという、「何で、あれ程価値のあるものが押入れみたいな狭い所で寝とんねん!」とぼやいてしまうぐらい、価値観が無茶苦茶な漫画なだけに正直どうでもよかった。

ただ、もしも、藤子・F・不二雄さんがこの英語に於ける隠された意味まで知った上で、ドラえもんを創造し、寝る時間になると押入れに閉じ込め、声優に大山のぶ代さんを起用したのだと考えると、「どうりで、彼がしずかちゃんの入浴シーンにのび太ほど興奮しなかった筈だ」と妙な納得をし、ドラえもんの声優陣を総入換えさせてまでも続けていくことになったこのアニメから目が離せなくなってしまう。

のび太とドラえもんの禁断の愛の物語を想像しながら含み笑いで帰宅すると、部屋のドアに「お前に今すぐ話さないといけないことがある。帰宅後至急連絡されたし!家主」と乱雑な筆の運びで書かれた手紙が貼られていた。余程の緊急事態なのだと電話をすると、今まで全ての対応の遅さに苛立ちを感じさせられたことが嘘のように、電話を切って2分と経たない内に家主は、私の部屋のドアをノックした。通常でも十分理解し難い彼の英語は、荒々しい息遣いが混じり分かり辛さが”さらに倍!“となっていたが、彼の話す内容はそれ以上に完全に私の理解を超えていた。「急で悪い。ここを出て行ってくれ。今月中に」 「……」

彼が何を言っているのか分かっても、その内容が理解出来なかった。日本で数々のものを失い”もぅ自分に失う物はない!“と信じ、カナダに足を踏み入れたにも関わらず、日本から持って来た大切な物が次々と自分の前から姿を消していく。電子辞書・デジカメ・『節子カバン』に『ダイナ君』。そして今度はカナダに来て手に入れた快適な住まいまで失うことになるとは…。「銀河系第3惑星の地球よ! 私に一体何の恨みがあると云うのだ!」と叫び狂いたかった。然し、家主の前で、日本男児たる者が取り乱す訳にはいかない。必死に平常心を保ち理由を訊くと、何故か妙にテンションが高揚した状態の家主は「@☆#?…」と、もはや英語を話しているのかすら全く判別出来なかった。それでも、私は冷静を装いカレンダーを確認した。

「今日が26日やから… あと5日しかないやんっ!」そして、今…
私は友人のクローゼットに住んでいます。
I Stay In The Closet…
でも私はそういうのではありません!


お待たせしました!ウェブ・サイトが5月11日にリニューアルするのでみなさん見てよね。
http://www.nobmorley.com

最終更新日 : [05/05]
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