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コラムバックナンバー 2003年特集記事

022「日本人をやとっチャイナ!(前編)」

photo日本で解雇という形で職を失ってから30社近くに履歴書を送ったり、飛び込みで面接に行ったりして何とかして仕事を手にしようとしたが、唯一採用されたのが”ゴミ屋敷の引越し“ぐらいで、それ以外は見事に何処からも声が掛からず、完全に意気消沈&自暴自棄に陥り、死ぬか生きるかの究極の選択を自分に与え、カナダでもう少しだけ生きてみようと決意しこの国に降り立った。

そんな私に大した貯えなどあろう筈がない。「働かざる者食うべからず」という言葉が昔からあるように、生き抜く為に何としてでも仕事を見付けなくてはならなかった。

来加して数日後に日本の履歴書持参で日系企業を尋ねると、日本での苦労が嘘のようにいとも簡単に採用され、後日研修を受けることになった。然し、採用時に渡された研修資料を読み飽きる程、幾ら待っても「その後日が一体いつなのか」の連絡が一向に来なかった。自分から連絡すれば済むことなのだが、イマイチ重要度に欠ける恋愛のように『自然消滅』を狙われているのだと信じ切ってしまった以上、違う相手を見付けるように次の職を探すしかなかった。

そして、今度は「折角北米に来たのだから!」と英語環境の職場を目指し、英文の履歴書を自力作成した上で、ある雑誌に求人広告を掲載していた所へ連絡し、面接を受けることになった。面接に行くと其処固有の登録用紙が手渡され、全てその用紙に書き込んだ内容に関する質問だけで終えられ、かなりの時間を掛けて仕上げた英文履歴書など何の意味も無く、後日の採用連絡待ちとなった。また前回と同じようにいつまで経ってもその後日がやって来ないような気がした私は、基本的に消極的な自分を奮い立たせ、今度こそは何としてでも仕事を掴んでやると実に積極的に、電話が鳴るのを待っていた。すると、願いが届いたのか採用の連絡が入り、早速翌日から来てくれということになった。

私が働くことになった所は、ある英会話学校のCMであった「MOTHER"M"を取ったらOTHER! 他人です」の勢いで"K"を取ったら、陰気な子供達になってしまうKINKI KIDSのように、"N"を取ったら同じく単なる陰気な店になってしまう、日本人では恥かしくて付けられない名前の寿司屋だった。

働く際にジーンズ以外のズボンと黒い靴が必要だと云われ、ジーパンしか持っていなかった私は「金が無いから働くのに、働く為に金が要るなんて!」と思いながらも安いズボンを探しに町に出掛け、がっちり2タック&微妙にスリムな、特別ダサい紺のズボンを$10で購入した。靴に関しては何とか茶色の靴で許して貰おうとすると、以前働いていた人がゴミ同然に置いて行った(日本のホームセンターなどでカゴに山積みされ¥580程で売られている、靴紐を巧く結べない人用とでも云うかのようなマジックテープの作業靴と同じ型の)黒い靴をお下がりとして貰い受けることになった。

ここが日本なら絶対友達が出来無いどころか、仲良かった友達とも音信不通になるぐらい飛び抜けたファッションセンスの下半身に、上は変にオレンジと緑が組み合わされた店のロゴ入りの妙な水色Tシャツ、頭には大きく”湯“と書かれた日本手拭いをバンダナ代わり(持参)に働き出した。


リニューアルしたウェブ・サイト、もう見てくれましたか? 毎週土曜日に更新してます。
http://www.nobmorley.com

最終更新日 : [05/20]
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