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コラムバックナンバー 2003年特集記事

024「日本人をなめチャイナ!(後編)」

photoAさんの場合。私と同様、仕事用の靴を持っていなかった彼女は、自腹で運動靴を購入。然し、店主はその靴の配色が就業に適さないと判断。私は塗装で黒一色にすることを勧めたが、彼女は新たに別の靴を購入。にもかかわらず10日後、店主の機嫌を損ねてしまい、「新しい人が見付かった」とたった2週間で追放。私の折角の彼女に対する新人教育も、彼女の2足の靴と一緒に無駄となり、さらに店主が見付けたと云う彼女の代わりの新人とは、私だった。

Bさんの場合。全てに対し能力的に劣っていた彼女は、持ち前の負けん気の強さを武器にやる気でカバー。店主に認められようと努力を重ねるも、度々給仕担当から外され皿洗いに回された。流石に耐えかね退職希望。そんな彼女に「貴方の代わりは幾らでもいるわ」と店主。誰よりも明るく振舞っていた彼女も、この時ばかりは暗い面持ちだったが、誰よりもオッパイは大きかった。実際、彼女の代わりは色んな意味で全くおらず、他の従業員への皺寄せは彼女の乳房以上に大きかった。

お店主様が従業員を御気に召しておられるかどうかは、彼等が毎週金曜日に発行する勤務表を見れば簡単に分かる。「我々の意に反する人間は、顔も成るべく見たくない。だから仕事を与えない」気に食わない人間に金を払うなど、誰にとっても嫌なことなのだろうが、彼等の人間評価の基準は能力や勤務態度とかでは無く、容姿であった。「容姿端麗でさえあれば、幾枚皿を割ろうとも、その罪は問われない」とでも云うかのように、明らかに女性に対する扱いには個人差があり、嫌われてしまった人間は目に見えて勤務時間を減らされた。

容姿に格段の自信が無い私は、彼女達のような処遇を受けぬよう細心の注意を払い、お店主様のご機嫌を伺い続けていた。友人が来た時、事前に休みを要求すると、それが人種の特性なのか、何の遠慮もなく店内に飾れる日本の物を買って来させろと背後に脅迫の意味合いも臭わす逆要求。その装飾品は今も店内に飾られている。そんな折、両親が日本から来ることになり、休みを取ることになった。流石に両親が来るとなれば、彼等も人の子なのか、友人の時のような脅迫めいたことはなく、あっさりとした口調でデジカメと和包丁を要求。

我が両親は刃渡り30cm以上にもなる刺身包丁をわざわざ店主の名前まで彫って持って来ることになった。明らかに凶器に値するものをスーツケースに入れていたすっかり老夫婦な2人は、税関申告書の「以下のものを持っていますか? 火器、武器類」という質問欄に"yes"とチェックしていいのかどうかの確認を取る為、わざわざ日本のカナダ大使館にまで電話した。生憎、大使館は留守電で、的確な答えを得られず、「明日、貴方の国に包丁持って入ります」という正直な伝言を残そうか迷ったが、まるで犯行予告のようだと止め、2人のカナダ入国は密輸気分で実に緊張感のあるものになった。

デジカメこそ無かったにしても、クビにならぬようお店主様に対し此処までした甲斐あってか、勤務表の私の欄に見慣れない”K“の文字が出現。遂にKingの称号を与えられたのだと信じた私の翌週からの仕事は、キッチンでの皿洗いであった。


僕の新しいウェブ・サイト,チェックしてくれてますか?もちろんしてますよね?毎週土曜日更新です。
http://www.nobmorley.com


最終更新日 : [06/19]
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