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031「中華人皆屁ぇを国 【第五巻】〜狂妄な状況に狂暴な望郷の巻〜」

photo調教師から曲芸披露後に褒美としてサバ等、それなりに値の張る魚を与えられるイルカのように、調理師から清掃疲労後に賛美として野菜の切れ端の天ぷらを餌付けの如く受け取るようになり、「寿司ぐらい寸志として出せ!」という空回りの全く笑えないジョークぐらいしか浮かんで来なくなっていることに気付いた自分には、仕事は完全に金の為と割切り2週間おきに手渡される給料を心の糧にするしか継続していく方法がなかった。

給料は何故かいつも何割かを小切手でそして残りを現金で支給という滑稽な形態を取られており、チップは当初店主が丁寧に1日2回、昼と夜に分け計算し、翌々日には小さい手作りの紙の袋に入れ、いつのチップかきちんと判るように日付を記載し渡してくれていた。然し、それがいつからか週毎にひと纏めにしての支給となり、唯でさえ親方総取り的な臭いがプンプンするピンハネ満開、客数に全く左右されないほぼ定額チップは、いつどれ程貰ったのか判別出来ないどころか、出勤日数で綺麗に割り切れてしまう為、単なる出勤手当てのような形になった。

それでも有ると無いでは大きく違い、厨房で働くと“客の心ここまで届かず”と云ったところかチップは一切無く、その代わりに、何時の間にか50セントの昇給を果たした基本時給に2ドル50セントを上乗せされていたが、チップ分に相当するには丸一日働いても足りない上に、仕事内容から云っても完全に割りが合わなかった。

自分が、他者から身体的・精神的な虐待・苦痛を受けることにより満足感を得る、所謂マゾヒズムの傾向を持つ嗜虐的な性格の人間、マゾヒストであるということは、適切な場所に行っての不適切な行為によって自知済みであるが、それは自分が心を許し開いた相手でないと、逆に「何でお前みたいな奴にそこまでされなアカンねん!」と、例えカラフルな縄で緊縛され完全に自由を奪われていようとも、口枷さえされていなければ、唯一自由に動く口で相手を萎縮させてしまう程叫び倒すという凶暴性を抱えていることも同時に自覚済みであった。その為、厨房人に対してなるべく心を開き分かり合おうと、凶暴な自分が目を覚まさぬよう努めたが、幾ら心を開けど言ってることが分からない。爆発しそうな凶暴性を必死に抑え、日本男児たるものどんな過酷な状況に追い込まれても冷静さを欠いてはならぬと耐え凌ぎ、漸く給料日を迎えた。

封筒に隠された金額に想いを馳せ、アメリカンキッズが贈物の包装を破り開けるのと同じ勢いで、封筒の口が破れないよう慎重且つ丁寧に開け、手書きの給料明細を見ると、労働時間×6ドル50セント=給料とだけあり、チップも無けりゃ時間当り2ドル50セントの手当ても無く、カナダの最低賃金6ドル85セントを完全に下回っていた。これには、たとえ最後のサムライと云われた私とて黙っている訳にはいかず、早速店主に直談判。すると、流石にお互い心を開き分かり合った間柄なだけあり、彼は申し訳無さそうな表情を浮かべ、私を裏口から店外に連れ出し、お互いが気持ち良く時間を共有出来る様に激しく云った。「何でお前みたいな奴に9ドルも払わなアカンねん!」

nob morley
最近忙しそうな彼。どうせウェブは更新されてないだろうとチェックしたら動画が見られるようになっていた!(編集部)
www.nobmorley.com

最終更新日 : [10/11]
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