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036「世界の郵便で荷物を送る」

photo10月14日『郵政民営化法案』が国会で可決された。これに伴い、郵便局が地域の実情に応じた様々なサービスを提供する「コンビニ化」が期待されており、カナダのように”コンビニの中に郵便局“が出来る日もそう遠くないのかも知れない。
翌朝早くに日本への帰国を控えたある日曜日のこと、スーツケースに入り切らない荷物を国際郵便で送ろうと梱包を始めた。最寄の郵便局の営業時間を確認すると18時迄、その時の時刻17時45分。私は急いで梱包を済ませ、顔が隠れ、前が殆ど見えない状態で”日本なら営業時間内に間に合わなくても夜間窓口というものがあって対応してくれるのに…“というもどかしさと共にそれなりの大きさのダンボール箱を抱え、郵便局へ走った。
1981年に設立された王立会社"Canada Post Corp"。日本では快く無料でやってくれる住所変更等のサービスが有料であったり、再配達を潔く拒否したりと、実に怠慢な気がしてならないが、「カナダを世界で最も発達した郵便大国にする目標に貢献している」と言われており、郵便界に於いてはカナダが世界の中心と考えられているとも取れる。
郵便局に着いたとき、時計の針は2分程6時を越えていた。然し、幸運にもガラス扉の向こう側に数名の職員の姿がまだあり、清掃員のような格好をした男が、扉に施錠をしているところであった。男は息を荒立て重い荷物を抱える私の必死の形相を見て、優しい顔で扉を開け、「生憎、本日の営業は終了致しました」という気持ちを込めて、片言に「クローズ」とだけ言った。台風直撃で飛行機が欠航になったとかならまだしも、たった2分遅れただけ。しかも、職員はまだ中で作業中である。
私は縋りつく思いで、”明日なんて無いんだってば“と消え入りそうな声で語りかけそうなダンボール箱を抱え「今日じゃなきゃ駄目なんだ!」と入り口で清掃員風の男に遮られそうになりながら訴え掛けた。すると、作業中の職員に私の声が届いたのか、中でも一番大柄な体型の男性職員がこっちを向いた。風体からして心の広く大きい人間とおぼしき彼なら、私の状況を汲んで優しさとしての融通を利かし荷物を受け付けてくれると信じ、局内に響き渡るような声で「居てます、私まだ…この国に。けど、明日は居ません。だからどうか…助けて下さい。助けてください…たすけてくださいっ!」と涙ながらに叫び訴えようとした。
天への祈りにも似た心からの叫びが彼を奮い立たせたのか、彼は顔を真っ赤にして、正直に私に気持ちをぶつけるように、私の全ての発言を掻き消す如く、会話をする隙間を与えない程の勢いで同じ言葉を3回、音楽でいうクレッシェンドな表現方法を使って、大声で言った。
「でて行け! 出ていけ! 出て行けぇっ!!」
―いや、だから、明日この国から出て行くんですが…―
結局、私は世界の中心が何処か分からぬまま梱包した箱を開け、散骨の如く中身を部屋にばら撒いた。

nob morley
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最終更新日 : [12/29]
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