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50「香りを匂い、匂いが臭う」〜わが生涯に一片の悔いなし!!の巻〜

photoある夏のことであった。私は或るコメディーショーでマイケルという名の男性に出会った。彼は、私がその時ほぼ即興でやった「東洋人の見分け方」というネタを大いに気に入り、終演後、見ず知らずの私に積極的に声を掛けてくれ、自身が司会を勤めるショーへの出演を依頼してきた。彼の熱意ある行動に私自身も熱くなり、まるで昔から知っている友人のように酒を交わし意気投合し、会話に花を咲かせた…つもりであるが、終始私は山瀬まみバリの鼻声会話に徹していた。
彼の話や考え方等は全て受け入れられたのだが、一つだけどうしても受入不可能なものがあった。それは彼の体臭である。鼻からその臭いを受け入れようものなら、急に首筋辺りに重みを感じ、こめかみを締め付けられ、胃袋を固く絞られたような感覚に陥り、嗚咽のみが込み上げ会話にならなくなってしまう。彼の放つ刺激臭が脳みそを一瞬揺さ振った時に、その場を退去すべきであったが、折角掴んだ舞台のチャンスを簡単に逃す訳にはいかない。仕方なく、2つある呼吸器の一つである鼻を完全に閉鎖し、慢性鼻炎患者装い、口での集中的な呼吸に頼るしかなかった。然し、不思議なもので、単なる臭いの筈が、嗅覚だけで無く味覚までをも破壊し出したのか、びっしり余すことなくカビの生えた食パンを食べたような味を、彼と別れて帰宅した後も、引き続き口の中に感じるようになっていた。
そして舞台当日、「彼に会う=彼の臭いを嗅ぐ」という恐怖心から、出演辞退を真剣に考えたが、単なる悪臭如きに負けてなるものかと、全身に喝を入れ現場に行った。すると彼が真っ先に出迎えてくれ、彼の横にベッタリと従えていたカノジョを私に紹介した。その女性の名前が何であれ、それが誰であれ、私には本当にどうでも良かった。それよりも、その女性が彼の傍から全く離れようとしない理由が一切理解出来なかった。”ヤツの鼻は死んでいるのか?“
そして、ショー本番彼の呼び出しの紹介により、客席は期待昂ぶる観客で溢れ返っているものだと思い舞台に上がった私は、想像以上に狭い会場に泥酔した男女が数人疲れ切ったようにダラリと、ほぼ寝るようなかたちで何の期待も無く乱雑に座っているだけという現実に愕然とし、「業界人がたまたま見に来てて、ついでにスカウトそして業界入り」という夢想を舞台に上がるまでしていた自分を撲殺したくなった。それでも負けてなるものかと、侍魂で絶対笑かしたんねん! と気合いを入れ直すと、司会のマイケルの臭い等気にならなくなった。それだけでなく、彼が私にマイクを渡す時に浮かべた”いつもはこんな感じやないねん。ごめんな!“的な申し訳無さそうな表情も完全にどうでも良くなっていた。『ここから俺の伝説が始まる』と身体中を奮立たせネタに入ると、観客が聞く姿勢になったのか、ざわついていた会場が静寂に包まれた。「俺の力も対したものや」と自画自賛に浸りながらテンポを上げていこうとすると、観客の視線が何故か私に向いていないのに気付く。視線を辿りふと横を見ると、司会のワキガが舞台横で女と本気でイチャついていた。
『ワキガの紹介に沢山の悔いあり!!』

nob morley
先週は初東京公演。大阪の劇場と東京の劇場とでの若手に対する扱いの違いに愕然。非常によくしてもらい“売れてんのか”と勘違いしてまいそうだった。

最終更新日 : [07/28]
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