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54「浴室に質の良い欲」

photo最近はどうか知らないが、以前は、日本人が海外のホテルで浴槽に湯を溜めている間に眠ってしまい、フロントからの電話で起きた時には部屋中水浸しになっており、階下の部屋に水が漏っていると苦情を言われ、高い請求書を突き付けられるというケースをよく耳にした。
湯に浸かることを考えた場合、常に正しい使い方を模索し続けなければならぬユニットバス。先に身体を洗ってから湯を溜め浸かるべきなのか、湯に浸かってから身体を洗うべきなのか、当然使う人間の自由であるにせよ、前者の場合、湯溜めの間が完全なるアイドル状態となり、それなりにシャワーで温まった身体を敢えて冷ましてしまうことになる上、何となく二度手間感が拭えない。然し、後者の場合、湯に浸かって身体がリラックスした後に、湯を流してから身体を洗うということが単純に面倒臭く、折角解放したストレスを引き戻す結果に繋がるようで、身体を洗ってからもぅ一度浸かりたくなってしまう。こう考えると、ユニットバスの正しい使い方を考えるなど、拳銃の正しい使い方やテロの正しいやり方を考える並にナンセンスで、拳銃使用やテロ自体が誤ったことであるように、ユニットバスの存在自体が間違っているのかも知れない。
それでも、浴槽に湯を溜めるなど、日本人からすれば当然で、「そこに浴槽ある限り…」という気持ちで蛇口を捻り湯を溜め、湯船に浸かった時に勿体無くも溢れる湯が立てる「ザザーッ!」という快音が心に響き、身も心もリフレッシュさせてくれるのを願ってしまう。然しこれも浴槽の外に排水溝があればこそ成せる技で、海外の、入浴用と言うよりは寧ろ行水用と言った方が素直な、深さの余りない小洒落たグラタン皿のような浴槽の外には当然ながら洗い場は無く、便器はあるが排水溝が無い。その代わり妙なもどかしさがある。
河川が氾濫した時のことを想定し、河川敷や堤防を造った人間が何故、それ以上に頻繁に起こる可能性の高い風呂の湯の氾濫に対し、災害を想定し対策を練らないのかがよく分からない。あの薄っぺらいビニールのカーテンがどれ程の物だと言うのだ!
その点日本人は、自国の浴槽横に必ず排水溝があるにも関わらず、湯はりする際に溢れさしてお湯を無駄にすることが無いようにと、ひた向きな心で、自動お湯はりシステムを開発した。裕福で無いにしろ、このシステムをいち早く我が家に取り入れた父の功績は大きく、蓋を開けたら中に少量のガスが放出されており、常に種火が揺らめいている何かの慰霊碑のようなオーブンを未だ平気で使っているカナダ人が「資源は常に無限大」とまで思考や思想が極まった傲慢な人種にしか見えなくなってくる。
どうせ湯をはり浸かったとて、浴槽の浅さから半身浴ぐらいしか出来ず、何としてでも子供の頃に受けた親の教えに従うべく肩まで浸かろうとすると、浴槽から足を放り出し、何やら分娩に似たスタイルになってしまうのが関の山な、ええとこ無しの浴室なのだからせめて、自動湯はりシステムぐらいは導入して欲しいと願う。でないと、「湯はりに見張りが要るやないかぇ!」という全然おもんない状況が続くことになる。

nob morley
吉本興業所属のお笑い芸人。体調管理万全の筈が気管支炎を患い、毎晩機関車のような咳に死にそうになっているらしい。

最終更新日 : [09/27]
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