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56「所変われば金替わる」

photo海外に来て大きく違うことは色々あるが、日本を出発する前に必ずすることは日本のお金をその目的国のお金に換える作業であろう。私がカナダに初めて足を踏み入れようとした時、アメリカ経由ということもあり、米ドルはきちんと抜かり無く換金して持っていたが、カナダドルに関してはトラベラーズチェックのみで、カナダの現金を一切持っていない状況であった。然し、そこに大きな不安も無く、何なら逆にたとえ紛失しても補償される現金では有り得ないシステムが構築されている旅行者の大きな味方”トラベラーズチェック“を所持していることに絶大なる自信と安心感を抱いており、そんな自分が如何に向う見ずで無計画な人間であったかなど知る由も無かった。
アメリカに一度入国するとは言え、単に飛行機の乗換えだけでほんの数時間をデトロイトの空港で過ごすにしか過ぎず、したことと言えばトロント行きの便の搭乗口を訊いてきた一人の外国人老婆に搭乗口の案内をしたぐらいのもので、手持ちの米ドルに関しては換金の甲斐無く、一切使うことは無かった。そして、飛行機に乗り込んだ時、自分が多大なるミスを犯していることに気付いたのである。先ず、海外旅行の教科書とでも云うべき「地球の歩き方―カナダ編」を、カナダが自分にとって初めての国で何の情報も持ってないのに、また、これからそのカナダで約1年は最低でも過ごそうと思っているのに、購入していなかったのである。それは、登山ルートを全く知らない6千メートル級の山に何も持たず素っ裸で単独登頂しようとしているようなもので、自ら進んで遭難しに、いや、死にに行っていると言っても過言ではない完全自殺行為であった。
然し、幸い搭乗口を案内した老婆が同じ飛行機で、彼女が無類の淋しがり屋なのか、自分の隣の席が空いていたこともあって、私に隣に来るように要求し、基本引っ込み思案な自分を抑え其処に座ると、妙に積極的に話し掛けてきてくれ、私がカナダは初めてだと言うと、カナダという国について話し始め、アメリカに住む息子のもとを訪ねた帰りだと云う彼女は、私が日本人であると知ると「孫の彼氏も日本人でねぇ。何か調理師みたいで、たまに孫と家に来て日本料理を作ってくれるんだけどこれがまた美味しいのよ…」(て、それを聞いて俺はどないしたらええねん!)と瞬発的に言ってしまいそうな何の役にも立たないどうでもいい情報を私に伝えながら、カナダのお金を一銭も持っていないと言う私に、自分の所持金を徐に取り出しカナダのお金に関して実に丁寧に詳しく教えてくれた。
「これが$5札で、これが$10札。で、これが$20札。分かる?」(いや、分かる?って、見たら誰でも分かるやろ! ゴッツ分かり易く数字書いてあるやん!)とか思っても一切口に出さず真剣に興味深く聞いていた。「あと他にお札では$50札と$100札があるけど、これは殆ど使うことがないわ。使おうとしても店によっては偽札かも知れないと疑って使わしてくれない所があるから」(て、どういうことやねん! 日本で言うところの5千円札と1万円札が使えへんてことやろ?ほな、何の為にあんねん!)。
〜次号へ続く〜

nob morley
吉本興業所属のお笑い芸人。先日、ファンレターをくれた女性に何かの縁を感じたが、その女性が受験生を持つ母親とわかり、自らの下心を猛反省。

最終更新日 : [10/30]
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