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69「居場所の分からぬ救世主」

photo人に住んでいる所を訊かれた時、その答えは当然様々ではあるが、その場その場でそれなりに頭を使って最も相手が分かり易いように答えなくてはならない。例えば、海外で初対面の現地人に何処から来たんだと訊かれた場合、アメリカ人ならロスやシカゴ、ニューヨークと答えるだけで相手に「ああ、この人アメリカ人なんだ」と認識させることが出来る。確かにロンドンやシドニーなどのようにその都市が世界的に認知度が高い所ならそれで済むのかも知れない。然し、”我が都知らぬ者居ず“と自信満々に『京都』と答えても、質問者の外国人がポカーンと魂の抜けたような表情を私に向けるのが容易に想像出来、質問に対する回答としては全く的を射てない気がする。こういう場合、先ず相手に自分が何人であるかを教えるという意味でも、『日本』と答えるのが一番回答として適切であろう。
これは、日本でも同じことが言える。東京の人間は”新宿“や”渋谷“と答えるだけで、相手に自分が東京人だと分からせることが出来る。然し、私が同じようなノリで『上賀茂』と答えても誰にも分かって貰えないどころか、本人の意に反してボケだと見なされ「何処やねん!それ。」と的確な突っ込みをお見舞いされてしまうだろう。だからと言って、愛知県人や神奈川県人が実際は東海市や綾瀬市出身なのに”名古屋“や”横浜“と答えたりする背伸び感を許して良いとは限らない。
自分から選んでこの場所に来た筈なのに、軟禁されているような、何なら心は完全監禁状態の全く心持ちに自由の無いユースホステル。誰かが自分の生活を監視している訳では無いが、自分の荷物が心配で遠くに離れることが出来ず、唯一の気分的な外出と言えば、ロビーに置かれた有料パソコンに金を払ってインターネットに興じ、モニター画面に映し出される内容の変化に酔い、世界中を旅している気分に浸るぐらいのもので、ふと画面から視線を外すとそこからの景色は先程と何ら変わらず絶望的な現実でしかなかった。それでも諦めず、ここから何とか抜け出そうと友人達にメールで助けを求めることにした。幸い昔ユニバーサル・スタジオという実に国際的な職場で働いていたこともあり、数々の外国人と知り合うことが出来た。そして其処で働く外国人の殆どの連絡先を私は、この出会いがメール上だけでも一生続けば、何て素晴らしいんだろう! という思いではなく、世界中を格安で旅する方法その1として、まめに聞いていたこともあり、「今、私はカナダのトロントに来ています。貴方は今何処に居ますか?」的なメールを、手帳に書かれた全てのアドレスに、顔も名前も思い出せない人間も含めて片っ端から送信した。そんなメールの返信が出会い系サイトでもない限りすぐに返ってくる筈もなく、ケチな旅館の部屋に置かれたテレビのように入れた金額分でのみ許された残り時間の使い方を考え、これも部屋のコインロッカーのように延々と金が要るのではないかと先を思い遣られていると受信箱にメールが1件。
「お前がトロント!?何と素晴らしい!俺は今実家に住んでて、ミシサガ」
…何処やねん! それ。

nob morley
吉本新喜劇で活躍中のお笑い芸人。とうとう日本はGW。人が休んでる時に働く仕事なので完璧な稼ぎ時。スケジュールもスッカリ・・・仕事がありませんでした。

最終更新日 : [05/11]
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