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72「時間の経過という悪魔」

photo全ての人類に平等に与えられているもの、それは『時間』である。誰にとっても1日は24時間で1時間は60分である。然し、昨日一緒に遊んでいた女の子が今日になって突然会社の先輩と結婚するとか言い出し、「もぅ一緒には遊べないの。ごめんね」というメールを最後に連絡を絶たれると、『一体昨日、あの後に何があったんだ?』と、単にその後、寝て過ごしただけだった自分とその女性が過ごした時間が同じ何時間とは到底思えなくなる。
やっとの思いでミシサガに住んでいる友人宅に電話を掛けると、彼の母親が何とも上品に応対してくれ、彼に代わってくれることに。1年半振りに友人の声を聴くと思うと保留のスローテンポな音楽に逆らうように心拍数が異様に高まり、今のように携帯電話が普及していなかった中学・高校時代を思い出させた。
女の子に電話して親が出た場合、悪い印象を与えないよう、「△△学校の森田ですけど、○○さん居られますか?」と半ば業務的な臭いすら漂う程、丁寧に話すように心掛け、快く娘さんに代わって貰えるようにしていたことや、父親が出た場合、恰も学級内の重要連絡をする為に掛けたのだと思わせる程しっかり落ち着いて話し”コイツ、うちの娘と何かあるな!?“とは絶対に疑わせないようにしていたことなどを懐かしんでいると、いつの間にか保留音が彼の声に変わっていた。
何度か私に「Hello!?」と呼び掛けた彼の声は、以前と全く変わらず、1991年の三上博史と田中美佐子主演のドラマ”それでも家を買いました“の主題歌だった障子久美の歌並みに『あの頃のように』優しく響いた。声から想像するに相変わらずの優しさ溢れる小太りに可愛らしい目をした永遠のベイビーフェイスな彼は、一頻りの興奮した状態での”久し振り!“会話を終えると「俺今晩トロントに出る用事があるから、もし良かったら…」と、心遣い満開で「お前の今日の予定は?」と訊いてきた。何の宛ても無く来た国2日目で予定などあろう筈がない。何なら予定を作る為に彼に電話をしているのだ。「お前に会うことが今日の俺の予定だ」と心の中では思っても、男性に対してハッキリそう言うのは恥ずかしい。別に格好を付けるつもりは無かったが、「今日は丁度何も無い」と何故か多忙な人間を装ってしまった。すると、その偽装振りが良かったのか「そうか!そら良かった。今日駄目だったら来週以降になってしまうとこだった」と彼の休みが偶然私の休みと同じだったという雰囲気になり、テンションが高揚した状態の彼は日中車でトロントを案内してくれると言い出した。
待ち合わせ時間ピッタリに、眼前に友人が電話で説明した車と全く同じ車が止まった。運転席のドアが開き、いよいよ友人との1年半振りの再会。ワクワクし過ぎ、自分が見ている景色がスローで動いているような気になる。運転席から降り、歩道に立つ私に笑顔で”久し振り!“のハグをしようと向かってきた友人は、1年半前とは随分違い、少し頬痩け、身体はすっかり引締まり、顎鬚ビッシリ、本人にその意思一切無くとも、見掛けは完全テロリストであった。
『一体この1年半に何があったんや?』

nob morley
吉本新喜劇で活躍中のお笑い芸人。オリエンタルラジオは後輩か?と聞いた編集Yに対し、「後輩ですが、売れてる奴が強い世界ですから・・・」との切ない返事。頑張れ!

最終更新日 : [07/04]
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