bits lounge
bitsブログ、トロント在住ライターのコラム集、トロントリアルライフ、体験談etc

ホーム > ブログトップ > 78「事実真実現実恐怖 final」
SHOP ショップ
コラムバックナンバー 2003年特集記事 お問い合わせ

当コンテンツに関するお問い合わせはこちら
■お気軽にお問い合わせください。
コラムに関するご意見・ご感想をお待ちしております。
■随時、ライター募集中!
当コンテンツでは、ライターを目指している方のコラムを積極的に採用していきますので、ご応募お待ちしております。
■PRの場をご提供
ビジネスプロモーションの一貫としてのスペースも提供しています。

これまでに執筆したライターのご紹介!
'05年バックナンバー
'04年ブログ集
'03年コラム・特集記事



78「事実真実現実恐怖 final」

photo付き合っている彼女が、9年間続いた2人の関係を無きものにするのに今が最も好機であると潮の満ち引きに準えて決断を下した時、別に結婚していた訳でも、子供が居た訳でも無いのに、彼女が瞬時に他人に変わり、2人で愛情注ぎ育てた形無き9歳の子供が目の前で死んだような感覚に陥り、人生で初めて『泣きじゃくる』ということがどういうことかを知らされた気がした。
止め処無く流れる涙を拭いながら「こんなことならずっと目を瞑って真実に迫らず、彼女がその男に抱く熱が冷めるのをじっと待てば良かったんじゃ…」と語り掛けても「恐怖を抱合した現実を知ろうとしたのは貴方自身。その結果が今流れている涙。今更何をどう悔やんでも遅い。これが現実」と慰めでも何でも無い冷たい意見をシャツの袖に染み込ませ、その染みを徐々に広げていくだけだった。現実とは『現に事実としてあることであり、空想に対する実在』と広辞苑にあるように、何となく冷たいものとして存在している気がする。結婚を意識し、彼女の誕生日に、申し訳無い程度の大きさとは云え、ダイヤが施されたプラチナの指輪を贈り、その翌月の”2人が付き合って9年になりますね記念日“にはグアム旅行に行き、その2ヶ月後、”来月やっと結婚資金が貯まる。芸人なりの奇を衒ったプロポーズの言葉を考えなきゃ!“と、色んなことを空想していると、突如別の男の実在がハッキリと現われ、その男の手によって無残にも全ての夢を掻き消された。
その半年後、寂しくこの世に残された身体と使い道を失われた結婚資金でカナダに降り立った私は、また新たな現実を知る恐怖に対峙することになった。

『カナダで唯一の友人がゲイかも知れぬ』この疑惑は、「僕の友達はホモ達!」と明るく振舞うことなど決して出来ない、彼女が彼女でなくなったように、友達が友達でなくなるのでは…という不安を抱かせ、”何かの間違いであってくれ!“と願うと同時に”例えそうでも、俺に対して恋愛感情はありませんように!“と祈った。然し、失恋の傷が、瘡蓋が出来るに程遠く未だジュクジュクと膿んでいる状態であるが故、「もし彼がそうなら、これを機に俺も同じ世界に飛び込んでみようかなぁ〜」と完全にトチ狂った意見が脳内をグルグル回った。
彼女に「浮気してんのか?」とストレートに訊けなかった人間が友人に対し「男が好きなんか?」とすんなり訊ける筈もない。そこで、彼と街を散歩中に擦れ違った女性をネタに「あの女ムッチャええケツしてるやんけ!」とか「乳の谷間っ!」等の卑猥な発言を同意を求めるように彼に投げ掛けてみて反応を見ることにした。すると、やはり興味無い事この上無いという表情を浮かべながら否定ばかりしてきたので、今がチャンスとばかりに「否定ばっかりしやがって! お前はゲイか!」と絶妙な突っ込みを入れてみた。すると、彼は私の発言の意図が全く読み取れず、キョトンとした面持ちで、アホに話すように言った。
「え? 知らんかったん? 俺ゲイやで。でも、安心して! お前はタイプやないから…」
……何か複雑ぅ〜!

nob morley
吉本新喜劇で活躍中のお笑い芸人。彼女はいないけど、仲の良い女の子はいるらしい。その子は外見100点、中身0点…。あ、これ内緒だっけ?

最終更新日 : [10/03]
▲PAGE TOP