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87「ムカつく女の詳しいところ」

photoとある日本料理屋で、完全に初対面であるにも関わらず、有名でも無ければ、それ相応の整った美を感じる顔面をしている訳でも何でも無いのに、羞恥心の欠片もなく歯には上下共にビッシリと矯正器具が施された状態でにんまりと笑顔を浮かべながら『私は女優です』と、自信満々に言い張れる女が日本人としてカナダに住んでいるという事実は一人の日本国民として非常に恥かしいことであった。
確かに『女優=美人』と言う訳では無く、『美人でなければ女優になれない』なんてことも無いのだから、個人の発言の自由であることは間違いなく、其処に不満や憤りを抱く私が一番間違っているのかも知れない。然し、贔屓目に見て、矯正を差っ引いても『中の下』ランクのいけ好かない女性が調子に乗って、「私、カナダって好きじゃない。て言うか正直、嫌い」と会話の流れの後先考えずに言って来ると、その言葉の”カナダ“の部分を”お前“に言い代えて罵倒してやりたくて仕方無くなる。それでも、初めての店であることを考慮に入れ優しく理由を訊くと、きちんと働いてた会社を残業を拒否しただけでクビになったからと言う。この時はまだ彼女の気持ちは汲めていた。然し、「どうしてこの私が残業なんかしなきゃならないのよ!」と己知らずに言われれば、『残業やなく人格が原因や!』と叫びたくなった。それでも堪えて「嫌いなのに何故、カナダに居るの?」と次の展開に入るという一番妥当な選択肢を選ぶと、彼女は「この為!」と口内に燦然と輝く矯正器具を指差し、「芸能人は歯が命でしょ!」と一昔前に日本で流行ったCMのフレーズを口にした。その瞬間「もしや…」と思い、その先の言葉を想像しただけで寒気を感じたが、「何故わざわざカナダで…」という疑問を投げ掛ける前に「カナダはかなり安くで出来るの!」と答えた上で「歯並びさえ綺麗になれば、今は『上の下』ぐらいだけど『上の上』になるから、そうなれば私ハリウッドに行くの!」と”先に言うた者勝ち“的なニュアンスで付け加えられると、初めは不快感しか与えない冗談だと判断していた彼女の”女優“発言を真剣な夢なのだと寒気を我慢しながらも理解するしかなかった。
夢を人がどのように持とうが関係無いが、彼女の夢は、ガリガリの青年が「将来の夢は”横綱“」と言ったぐらい、ほぼ10割の人が「いや、無理やろ!」と突っ込んでしまうものであった。それでも臆することなく、三十路近い年齢も気にせず、妙に自信に満ち溢れた表情で「今の内に私のサイン貰っといた方がいいわよ」的オーラを満開にして、「どうせ私の事コラムに書くんでしょ!」と言われると、「お前みたいなカスのこと書いて堪るか!俺の手元にお前の命を司る蝋燭があったら何の躊躇いも無く吹き消したるわ…」と半ば殺意にも似た退廃的な感情が芽生えるのを止められず、気付けば「歯列とかの前に人格を矯正した方がええね」と勝手に口が言っていた。
その一言が大将の心を解き放ったようで、大きく笑いながら「面白いなぁ〜!」と言った後、彼なりの賛辞を付け加えてくれた。
「2人、コンビ組んだらええねん!」
悔し過ぎて結局コラムに書いちゃった。

nob morley
吉本新喜劇で活躍中のお笑い芸人。吉田裕君と2人で座長みたいな感じでうめだ花月の芝居もんをやらして貰うことになりました。

最終更新日 : [02/06]
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