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96「一人で暮らすということ〜episode 9〜」

photo人生に於いて最初に一人暮らしをした部屋は値段と広さと立地条件は申し分ない程、他で探そうと思ってもなかなか見付けられない極上の物件であった。然し、その周辺住民は、賃貸契約を交わす際に「ご近所とは仲良くします」という約束をした家主に申し訳ない程、他所で出会おうと思ってもなかなか巡り会えない、いや、単純に会いたくなかった極稀な人間であった。願わくば関係をすぐさま断絶したかったが、その為には私自身が何処か別の場所を見付けて転居せねばならず、そんな金銭の余裕があろう筈も無く、完全に諦めるような形で、単に自分が他所者だからストレスを抱えてしまうだけで、この地域に溶け込んでしまえば、何とも思わず、逆に至極当たり前のことと考えられるようになるのかも知れないと、腹を括り日々の生活を送ることにした。
それから程無くして彼女が出来、19にして初めて大人の階段を一歩踏み出すことに成功し、中1ぐらいから夢に見続けた女体の神秘をやっとの思いで体感した衝撃は、怒髪天を衝くに至った北斗の拳のケンシロウが怒気を放つことにより着ていた革ジャンを消滅させてしまう時の如く全血管を浮き出たせ、暫く震えが収まらない状態に追い込み、その後約1年間、彼女が「私とは身体が目的なん?」と不安を抱えて訊いてくるぐらい毎夜神秘の解明に勤しみ続けずにはいられず、単純に私を虜にした。人がその時の私を見たならば口を揃えて言うだろう「お前は猿か!」と…。
それからの私は完全に冷静な判断が出来ない状態に陥ってしまい、日夜の念仏宗教活動だけで十分迷惑な隣の家族が、比較的犬嫌いな私へのあてつけとも取れる感じで子どもを喜ばす為に野良のような犬を購入して長屋の玄関に繋ぎ止め、その犬の断続的咆哮のうるささに私の怒りはてっぺん極め、終ぞ文句を言うぞと腹を決め、家を出ようとした時、急に向こうの方から用があるとやって来て、これは行く手間が省けたと怒り収まらぬ内に玄関先でぶつけてやろうと息を吸い込むと、その一瞬の間を突いて向こうから用件を発せられ、気が付けば隣の家族が傾倒する宗教団体発行の新聞を3ヶ月間無料で読むという契約を結んで玄関先に妙に行儀良く正座している私が一人居た。
結局、全てのストレスも毎日のこととなれば当たり前になり、向かいの老婆がピンセットでナメクジを摘まんでても”またやっとるわ“ぐらいにしか感じず、殆ど何も無かった部屋に家具や電化製品を充実させていくに連れ、彼女とは同棲状態になり、たまに友達を家に招いてパーティーしたりしながら大学を卒業する迄の4年間きっちりその長屋のようなアパートで過ごし切り、思っていた以上に荷物が増えてしまっていたようで一度の個人的な自力の引越し作業では全てを運び切れないということが分かり、後輩に後継者としてその部屋を紹介し、体験者として良い箇所だけのアピールを展開、ほぼ無理矢理住む様に仕向け、家主からお礼として仲介手数料を貰ったのを内緒に、後日必ず取りに来ると結構な荷物を倉庫に置いておかせて貰い、奈良を後にし実家のある京へとトラックを走らせた。そしてあの荷物を取りに行ってないのを今思い出した。

nob morley
吉本新喜劇所属の芸人。一人暮らしを始めて早2ヶ月。この2ヶ月で何故か4キロも痩せた。このペースで行くと1年で24キロ減…死んでしまう。

最終更新日 : [06/25]
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