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97「実家で暮らすということ」

photo親から仕送りを貰っての学生生活は『一人暮らし』とは名ばかりで、実態は完全に親を欺き親不孝を通り越した『女性との二人暮らし』であり、自分達の息子が離れた土地で孤独に生活しながら将来を見据えて熱心に大学で勉学に励んでいると信じて両親が送ってくれていたお金は、極端に言えば、彼女と2人で生活しながら将来を約束し、情熱的に寝床で性交渉に励む為の費用として消えていった。
金持ちな家庭では決してなかったが、そんな親不孝に費やした金額は優に3・4百万を超え、世間から『最低人間親泣かせ』の称号を与えられるには十分な条件を満たしていた為、「これではいかぬ! この恩はきちんと返さねば!」と大学卒業と同時に京都の実家に戻り、長男として家業を継ぐよう頑張ろうと父親の元で取り敢えずアルバイトとして働き出した。
その当時、父の会社には社員が母親を合わせて3人ぐらいしか居なかったが、忙しい訳でも暇でどうしようも無い訳でもなかった為、社員数は特に少ない訳でも多い訳でもなかった。仕事はというと大学で学んだことで活かせることと云えばパソコン操作ぐらいのもので、それ以外は全くもって自分にとっては未知の世界であった。それでも『”親孝行“したい時には親は無し』という言葉を深く胸に刻み込み、父親が祖父から受け継いだ会社を自分の代で物凄く大きな会社にしてやるんだという百点満点の意気込みで色んなことを積極的に学んでいこうという姿勢を見せようとするものの、出勤は毎日寝坊で父親よりも遅い昼過ぎ、働き出せば不慣れなデスクワークにウトウトと居眠りしない日は一日としてなく、与えられた業務課題をそれなりに順々にこなして行きはするものの、仕事に対して一切意欲が感じられない、誰から見ても『社会不適合者』で、人として完全に0点であった。
そうして全ての自分の駄目さが浮き彫りになり、生きてるだけで親不孝なのだと思い知った。それ故、実家暮らしということもあり父から手渡される給料を快く受け取れず、この上なく躊躇い、幾度と無く拒否しようとするものの我が手は我が心を裏切り、すんなりそれを握り締め妙な呵責が芽生えぬ内にすっかり使い切っていた。
こんな怠惰極まりない生活にストレスなど有ろう筈が無いと思われるかも知れないが、普通なら父が私に怒り狂い絶縁を言い渡しても良い所を、私が後を継いでくれるかも知れないという喜びからか、もし何らかの拍子で私が機嫌を損ねて出て行ったりしたら大変だという気遣いも含め、普段厳格な父からは想像もつかない程優しく物凄く甘く私に接した。それが逆に他の社員に申し訳無さ過ぎた上に、自らの存在価値を見出せない毎日に繋がり、意外にも胃潰瘍ギリギリのラインまで胃袋に負担を掛け、経験した事はないが恐らく『”つわり“ってこんな感じなのだろう』とリアルに想像つく程、酷い嘔気に苦しめられた。
そんな私の息抜きは週末だけ大阪に在る保養所的な彼女の一人暮らしの家に行くことで、其処は実に狭かったが思いの外居心地良く、気付けば引篭もりのように仕事も何もせず平日も其処に居るようになった。

nob morley
吉本新喜劇所属の芸人。一人暮らしを始めたが、仕事のために引越作業がなかなか出来ず、毎晩寝袋で寝てる始末。(仕事があるうちが花よ。 By 編集部)

最終更新日 : [07/25]
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