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101「二人で暮らすということ〜episode 4〜」

photo夢追い人は、怪しさ漂う道とてそれを今まで何としてでも歩きたかった”夢へと続く確かな道“と信じ歩んでしまうもので、騙されているかも知れぬと思っても、「まさか俺に限ってそれは無い」と頑なに否定し続け、道の向こう側に希望の光が必ずあると信じ目指してしまうものであり、私もガッツリその一人であった。
他人からすれば単なる愚鈍な人間にしか思われないであろうが、本人は至って真剣な上、レッスンを受けている同じ境遇の人達が沢山居たことが『もしこれが詐欺でも被害者は自分だけじゃない』という妙な団体心理が芽生えさせ、それが私の不安をことごとく打ち消していってくれ、たとえビジネス街裏の雑居ビルの一室がレッスン会場で、その隣が新興宗教の教会で教祖の写真が掲げられた祭壇が設けられてあり、続々と信者が雪崩込んで来ては奇怪な言葉を一斉に発しているようなところであっても、夢を実現させる為の試練だと信じて止まなかった。
それに、赤判子効果なのか、東映関係の何かの教材ビデオやドラマのエキストラの仕事を、丸一日拘束(実働時間12時間)で3000円という労働基準法から完全に外れたギャラとは言え、周りを差し置いて私だけが会社から貰っており、それなりに有名な芸能人にも会えたりするとなれば、”となりのトトロ“でサツキとメイが二人で植えたドングリの実から芽が出ているのを翌朝見付け狂喜乱舞し叫んだ「夢だけど…夢じゃなかった!」というフレーズを何の照れも無く同じようなテンションで叫んでしまいそうになる程、自分が銀幕スターになる日がどんどん近付いているのだと実感するしかなかった。
そんな折、私の元に届いた『撮影開始が来年以降になりました』という内容の封書は『元々こんな映画存在しませんでした』というネタばらしにしか思えなかった。然し、別紙に『テレビドラマ□□キャストオーディション開催。レッスン生は優先的に最終審査からになります』と書かれており、其処には03から始まる如何にも”銀座“らしい東京の電話番号が添えてあった。自分が単に映画の撮影に向けてレッスンをしていただけで、気分は”職業…俳優“だったのに、映画がテレビに格下げになったように、いつの間にか私は”レッスン生“に成り下がっていた。だからと云って受けない訳ではない。記載された日時にオーディション会場で自作の歌をギターを奏でながら披露している私の姿が…そして見事『合格』とプロデューサーらしき人から言われ、近日中に連絡するという約束を受けた。
だが、待てど暮らせど一向に連絡がある気配無く、どうなってるのか東京の方に電話を掛けてみる。電話口に出たのは案内係のいつものオバサン。”今日はオバサン東京なんだ“と思いながら思い切って「僕はドラマに出れるのですか?」と訊くと「プロデューサーは今京都なんで…」と、私に訊かれても…的な回避をするので仕方なく電話を切り、そのまま京都の事務所に即座に電話を掛けた。すると「はい。銀座デジタルテレビプロです!」と電話口に出たのは何故かさっきのオバサンだった。
恐らく、私、騙されてました。

nob morley
吉本新喜劇所属の芸人。10月11日の土曜日に、10月いっぱいで閉館となる、うめだ花月で『続・座長越え』 をやらして頂くことになりました。

最終更新日 : [09/10]
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