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115「私は不良ではありません。不孝です。」

photo 未成年者が喫煙の罪の重さを知るのは実に難しい。たとえ警察に見付かろうとも保護や逮捕には決して至らず、その場で煙草を没収されるぐらいのもので、「煙草なんか吸うんじゃなかった」と後悔するには程遠く、単に「運が悪かった」と何の反省も無い。何なら自分の煙草を没収した警察に恨みを寄せながら、また普段と変わらず当たり前のようにもう一箱購入し、いつもの仲間と煙を吐きながら、自分のしている事の何が悪いのか全く分からず笑っている。
事実、未成年者の喫煙が法的に禁じられている理由は曖昧で、発育を妨げる可能性があるなどという、単に人体に悪影響を及ぼす確率が成人に比べて高いということぐらいで、「俺、別に身体悪くなってもええわ!」と自ずと割り切り、それに親が「お前の人生や、好きなようにせえ!」と賛同すれば、最早未成年者の喫煙の何が悪いのか分からなくなってしまう。(*編集部注)
我が父親の「煙草なんか…吸うんやったら家で吸え!」の一言は完全に我が子の未成年喫煙を容認している発言であり、今回もカンニングの時同様、悪事を行ったことよりもそれが見付かったことを怒られている感じがしてならなかった。然し、(平手は幾度となくあれど、後にも先にもこの時だけの)人生初めて受けた父親からの右拳一発殴打は、『怒りの鉄拳』として、心から自分の行いを悔いるに相応しい衝撃と痛みを私の左頬に与え、「何て馬鹿なことをしてしまったんだ!」と純粋に己の行いを恥じるぐらいにまで追い込んだ。
「見付かるなんて、何て馬鹿な事を…」
父親に殴られた翌日、いつもなら教室で出会う筈の友達3人とは校長室で会うことになった。校舎内で一番手入れの行き届いた部屋の壁沿いに各々の母親と綺麗に並ぶ友達は皆、活発な細胞が一つとして無いかの如く死人の様な表情をしており、その中でもひと際、生気が感じられなかったのが一人だけ両親を連れて来た私だった。普段会話を交わしたこともない校長が大きな机にそぐった豪華な椅子に着座して前日の出来事を一部始終話す先生の証言を静かに裁判長の如く聞いており、我々は被告人のように扱われ、先生は没収した煙草やライターを机の上に並べた。我々の物であるかを確認し、皆が無言で頷くのに習って私も首を縦に振ると、母親は鼻をすすり出し、手に持つハンカチで目頭を押さえ始めた。友達の母親が皆自分の息子の喫煙をそれなりに知っていたのに対し、我が母は「うちの子がそんなことをする筈ない!何かの間違いよ!」という気持ちでいたようで、その落胆は尋常でなかった。流石にその姿を見た私は自分のした悪行の罪の重さを思い知るしかなかったが、何だかんだ言っても卒業間近ということもありカンニングの様に”お咎め無し“な感じになるような気がした。
すると、ずっと黙って事の顛末を聞いていた校長が軽い口調で話し始めた。「まぁ、今回こういうことがありましたが、取り敢えず”無期停学“ということで…」
『いや、卒業出来ひんがなっ!』と心の中で突っ込む私の横で、母は泣き崩れた。

*編集部注…繰り返すようですが、未成年の喫煙は法律で禁止されています。

nob morley
吉本新喜劇所属。最近、年齢と共にくる薄毛に悩まされているらしい。でもノブモーリーは私よりひとつ下よね?(by 三十路を少し超えた編集部員)

最終更新日 : [04/02]
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