シネマサトの邦画のほ〜がイイかもね!

第六十九話
美人女優3人が厳しい時代を強く生きる
女性を演じる昭和のサスペンス傑作

今朝、祖母が亡くなった。94歳だった。ここ数年は認知症で老人ホームの世話になっており、ボクも年に一度お正月にホームを訪ねるぐらいだった。だからボクは祖母と言うといまだに、小学生の夏休みに祖母の家へ泊まりに行き、2階から花火を眺めた時のことを思い出す。よく冷えたすいかを切ってくれて、ほおずきで笛を作るやり方を教えてくれた60代のエプロン姿の祖母。よく女学生時代の話や変わり者だった曽祖父の話、そして戦時中の苦労話をしてくれたけど、ボクにとってはそれは映画や小説の中のお話みたいで、この目の前の女性がその時代を生きてきたという実感が湧かなかった。――美女3人の競演が話題となったこのサスペンス映画の舞台は戦後復興期の日本。連続殺人事件を解き明かしていく中で、見合い結婚した初々しい若妻、暗い過去を持つ貧しい田舎女、聡明でやり手の社長夫人という3人の女性が、激動の時代にそれぞれに強く生きていこうという様が描かれている。3人の姿が、30代で夫を亡くし女手一つで4人の子を育ててきた祖母の姿と一瞬重なって涙が出た。

ゼロの焦点
(2010年公開)
監督:犬堂一心
主演:広末涼子・中谷美紀

[ 2010/05/07 ]

シネマサト
この原作がサスペンスドラマの“崖のシーン"を生んだんだってさ。松本清張の小説に出てくる昭和な雰囲気ってたまらなく好きです。

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