だいすけ先生の雑学アート

046「建てない建築家キョウヘイ君。豊かな生活のお値段はなんと『0円なり!』」

エコブームは世界的な広がりを見せている。マイ箸やエコバックを持ち歩くのはもはや常識? スーパーで毎回プラスチック袋に5セント支払っていたら、週3回だとしても15×4×12=7.2ドル。一年貯めればスンドゥブ1食分。しかし、様々な環境問題を考える時、そういった『静かなるエコ活動』とは根本的に異なる新しい生き方が求められている。

さて、この環境の問題を既に解決している賢い人達がいます(えっ!)。それは、一般にホームレスと呼ばれる人々(えええっ!)。ホームレスと聞くと仕事がなく汚い格好をした人達を想像しがちだけど、中には自給自足で僕たちの想像を遥かに超えた豊かな生活をしている人達がいるらしいのです。そんな彼らにスポットを当てる活動をしているのが、建てない建築家/建築探検家の坂口恭平(キョウヘイ)君。今年のニュイ・ブランシュの招待作家の1人でもあり、海外からの注目度も高い。彼のニュイ・ブランシュの作品はトロント市の廃棄物と盗難自転車十数台で造られたファウンドオブジェクト/分割移動式住宅(みたいなへんてこな作品。笑)。都市における人間の空間認識についての表現らしい。

キョウヘイ君は、フィールドワークを通じて『隅田川のエジソン』や『多摩川のロビンソンクルーソー』と呼ばれるホームレスの人達が実際どんな営みをしているのかを検証し、その取材を元に執筆/アーティスト活動をしている。ホームレスとは言ってもこの人達、河川敷やガード下に「ブルーシートに包まれた住宅=掘建て小屋=狭いが自分にとって棲み易い家賃0円の家」という家を持っている。食べ物も河原で野菜を育て、水道、電気、ガス代がかからない方法を考え出しているのだそうだ。うーむ、すごい。彼らの考えでは、図書館や公衆トイレ、公園は全て共有出来る自分のスペースなんだとか。「俺んち、東京!」ってでかいよ(笑)。

都会には再利用可能なゴミが溢れている。ちなみに平成17年度の東京の粗大ゴミの総量は76317トンもあったらしい。普通自動車を1.5トンとしても、5万台分もある。それらを上手く再利用出来れば地球はもっと住みやすい所になるのになあ。

今回の美術用語
A found object - indicates the use of an object which has not been designed for an artistic purpose, but which exists for another purpose already.
0 Yen House - a term created by Kyohei Sakaguchi, the street houses employing discarded and found materials, usually wrapped by blue tarps. They also incorporate into their assembly the imminence of their disassembly at any moment, they may have to be taken apart and moved.

[ 2009/10/02 ]

だいすけ先生
武谷大介(たけや・だいすけ)。美術家。現在トロント市を拠点に作品を制作・発表。
www.daisuketakeya.com
【展覧会@六本木ヒルズクラブ】
(開催中〜11月1日)www.roppongihillsclub.com

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