感情移入。麗しき和服の美人が(画)…

047「感情移入。麗しき和服の美人が(画)…」

「悲しい恋をした。彼女に伝わらない想い。このまま時の流れに身を任せ忘れるなんていやだ!」と、ドン引きする恋愛小説の出だし(笑)。人間には喜怒哀楽をはじめとする様々な感情がある。「気持ちが入ってしまう」ことは、時にやっかいだ。やりきれなくなったら一杯いこうよ(笑)!それでもダメなら、絵を描いてみよう。実現しない恋愛や、仕事のストレス、言葉や文化への葛藤、忘れてしまいたい過去(えっ)など、一見ネガティブな日常の心の動きはアート作品へと昇華すると人々の共感や感動を呼ぶ。悲しいラブソングや映画で涙する事は恥ずかしい事じゃないよね。

『感情移入』とは作品に自分を投影し、鑑賞者と作品を通じて感覚を共有するというもの。レンブラント、ゴッホ、シーレ、カーロ、村山槐多、鴨居玲、奈良美智など時代を超えた人気作家の作品には、魂がドッカン表現されている。映画『アキレスと亀』の主人公の画家はどう見ても破天荒。確かに作品に魂が乗り移っていても不思議じゃあないよね(でも、危ない事は止めましょう!)。

ところで僕の日本での初個展は茨城県だった(は?)。当時、男女の関係を作品テーマとしていた事もあって、かなりダークな展覧会。にも関わらず若い女性から筆書きのファンレターをもらった。作品からただならぬものを感じたらしい。会ってみるとかなり控えめな和服美人。会話の中から彼女が抱える何か大きなものを感じた。赤の他人である僕とは話せても日常の人間関係から距離を置いているような人だった。踏み入って話を聞く事はなかったが、モデルを頼んで『美人画』を描いておけば少しは彼女が理解出来ていたかもしれない。美人画とは、女性の容姿や内面の美しさをモチーフにしたアート作品。ちなみに、この日本的なコンセプトは、カナダでは女性をモノとして捉えていると誤解される事もあるようだ。

社交辞令と気の使い過ぎで、自分の本当の気持ちが分からなくなる事ないですか。芸術の秋、アートと感情移入で自分の気持ちに素直になれるかも。大バカ野郎のわたくしは自分の気持ちに素直なままで生きたいワ…つうか、おっちゃん、それって高校生(笑えない)?

今回の美術用語
Empathy - literally translates as 'in feeling', is the capability to share and understand another's emotions and feelings. It is often characterized as the ability to "put oneself into another's shoes".
Bijinga - is a generic term for pictures of beautiful women originally in Japanese art, especially in the ukiyo-e genre.

[ 2009/11/04 ]

だいすけ先生
武谷大介(たけや・だいすけ)。美術家。現在トロント市を拠点に作品を制作・発表。
www.daisuketakeya.com
■SCOPE MIAMIアートフェア
(w/ Christopher Cutts Gallery、12月2日〜6日)
www.scope-art.com
■壁画+Everybody Loves You(油彩作品)
@Toronto Don Valley Hotel & Suites
www.cptdv.com

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