だいすけ先生の雑学アート

049「絵画修復士。大事な引っ越し荷物(アート)はアタシが守るわ!」

昨年、国立新美術館(六本木)で開催された「THE ハプスブルク」は京都国立博物館に巡回し、日本国内で大きな反響を呼んでいる。オーストリア・ハンガリー二重帝国と日本が国交を結んで140周年という事で企画されたこの展覧会では、ウィーンの美術史美術館(オーストリア)とプダペスト国立西洋美術館(ハンガリー)の極上の美術作品コレクションが日本で一同に会し、驚異的な観客動員数を記録している。明治天皇より2国間の友好のため寄贈されたとされるコレクション(安藤広重の作品など)は、本邦初公開!美術愛好家にはたまらね絵絵絵(笑)。

極上の作品は、額縁だけでも億の値がつきそうな美術作品、もしもの事があったら国際問題にもなりかねません!なので展示/撤去、梱包、移送には所有美術館よりエキスパートが派遣されました。

中心人物は『修復師』エバさん。映画「冷静と情熱のあいだ」で竹野内豊が熱演した…人物とは少し異なる、フレンドリーな感じ。学芸員と共に作品のチェックをこまなくして回りました。会期中は作品保護のため暗い部屋にスポットライトだけだった照明が、150ルクスまで明るくされ、さらにサーチライトのような小さな携帯ライトで作品全体のひび割れや絵の具の剥離(はくり)の状況を調べる地道な作業。問題がなければチェックマークで梱包。額縁も全てアンティークなので梱包も大勢でゆっくり時間をかけて丁寧に行われる。こまめに各工程をチェックし、一体どこで何が原因で作品に傷がついたのかを明確にすることで事故再発を防ぐ事が出来るのだそうです。今回は、日本とオーストリア共同チームの活躍で修復の必要は皆無に。仕事を終えたウルトラマンの様に母国に帰って行きました(完)。

昨今の消費文化では使い捨て/リサイクル製品が氾濫し、一つひとつの「もの」を大事にする気持ちが忘れ去られている気がしてならないですが、みなさま、どうですか? アート作品は高価な宝物。草木に水を与えるように、丹念に守っていきたいワ。なんでも長く大切にする事、大事だよ。だ、だよね、虎君(?)。今年もしまっていこう(意味不明)!

今回の美術用語
Conservators - care for cultural collections by applying scientific methods to preserve and restore artefacts. Their work mainly involves monitoring and controlling the environment in which collections are stored or displayed to prevent deterioration. They may also work to restore individual objects directly.

[ 2010/01/08 ]

だいすけ先生
武谷大介(たけや・だいすけ)。美術家。現代美術館プログラミングディレクター。現在トロント市を拠点に作品を制作・発表。
www.daisuketakeya.com

■2人展『Confessions of Love』
2月12日(金)〜3月13日(土)
@XPACE, 58 Ossinton Ave. (W/ Tad Hozumi)
http://xpace.info/exhibition_upcoming


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