だいすけ先生の雑学アート

051「グローカル。コミュニティから世界へ。世界からコミュニティへ。」

先日ロイ・トムソン・ホールにロッテルダムフィルのコンサートを聴きにいった。指揮者はカナダ人のヤニックさん。母国への凱旋コンサートで世界的に活躍するアーティストが母国に持ち帰ったのは、一体何だったのでしょう。ストラウスのバイオリンソロなど、コンサート自体は圧巻だったのだが、終了後に五輪のカナダホッケーチームにかけたジョークを披露(笑)。あの雰囲気はまさにグローカル? グローカルとは、グローバリズムとローカリズムのハイブリッドの造語。ジョージ・クルーニーの映画『Up in the Air』でも出て来たこの言葉、どうも気になります。

グローバリズムという言葉が使われるようになって久しい。ネットで検索すれば世界中の様々な事が一瞬にして調べられるし、『異文化』と言われている事もトロントでなら、隣近所の人たちの事のようにも思える。日本国内でも、昔は青森でしか手にはいらなかったリンゴが日本全国どこででも手に入るようになった(え?)。よく調べてみるともはや当たり前になったこの考え方も色々な問題をはらんでいるようなのだが、逆に注目されつつあるのが地域密着のローカリズム。コミュニティから発信されたローカルな動きが世界的に広がっていく。コミュニティとは、コミュニケーションをもとに情報や文化を共有しながら形成されていくもの。ネット上のコミュニティとは異なる、ローカルなコミュニティに表現の可能性が秘められているようなのです。

トロントの日本語(人?)コミュニティは数多くありますが、それぞれ独自にメッセージを発信して活発に活動しているようです。日系文化会館内の現代美術館でもコミュニティと提携したプログラムを組んで行く方法を模索しています。不況のあおりを受けて大規模な国際展の採算が取りにくいのが現状のアートの世界。厳しい現実… ローカルでありながら世界的に発信できる何か、って何なのでしょう? それってきっとコミュニティの一員であるみんなが楽しいって思える事。グローカルな事やってみよう!

今回の美術用語
Glocalisation (or glocalization) - is a portmanteau word of globalization and localization. By definition, the term “glocal" refers to the individual, group, division, unit, organisation, and community which is willing and able to “think globally and act locally."
Community - is a group of interacting people living in a common location. The word is often used to refer to a group that is organized around common values and social cohesion within a shared geographical location.

[ 2010/03/05 ]

だいすけ先生
武谷大介(たけや・だいすけ)。美術家。現代美術館プログラミングディレクター。現在トロント市を拠点に作品を制作・発表。 www.daisuketakeya.com

■ 個展@ Showcase/ Megumi
Ogita Gallery( 銀座)
www. megumiogita.com/showcase/ index.html

■アートフェア東京2010@東
京国際フォーラム4月2日〜4日
w/ Christopher Cutts Gallery


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