tomori nagamoto

Tomori NagamotoのLife Lessons

Lesson 5

"Friendship is a pretty full-time occupation
if you really are friendly with somebody."

誰かの良き友でいることは、フルタイムの
職業に就くことである

― Truman Capote―

つまり、本当の友だちは少ないぐらいでちょうどいいんだよと、かの『ティファニーで朝食を』の著者トルーマン・カポーティは云っている。
友だちをつくることは難しいことではないが、それを維持していくのは大変難しいこと。なぜ難しいのか。それは友だち関係が、スポーツジムの会員のように「忙しいし、お金もないので来月で退会します」という手続きをもって終了できないことにある。さほど仲の良くない友だちが真夜中の2時に「死にたい…」とパンチの利いた電話を掛けてきても、「あなたとの友だち関係は先ほど終了しました」とサッパリ言える人間はなかなかいない。 このように友だち関係というのは、いつの時代も義理人情をベースに進むもの。ミスチル流にいえば『終わりなき旅』なのである。しかし世の中には、この終わりなき旅も一瞬で終わらせられる人種がいる。それは、言うまでもなく恋愛モードに突入中の女子の皆様である。
ある時、仕事がなくて困っていたA子に、知り合いのカフェのオーナーを紹介したことがある。待ち合わせ場所にA子が現れないので、心配して電話をすると留守電に繋がった。何度かけ直しても応答はない。結局その日は連絡がつかず、翌日も連絡は来なかった。しばらくして道端でB男に会ったとき、「実はA子と付き合うことになったんだ」と告白され、僕はピーンときた。恐る恐る「ちなみに、いつから?」と訊くと、まさに面接の日に、その時間に奴らはベッドの上で交わっていたのだった。
しかしこれでは終わらない。C美に至ってはもっとヒドイのだ。しばらくして破局したA子を慰めようと、鍋パーティーを企画したその夜に、こともあろうかB男と連れ立ってやって来たのだ。C美はさらっと「ただの友だちだから」と言うものの、その視線の先には明らかにA子がおり、その瞳には "してやったり“の光が煌々と宿っていたのである。
この現象を目の当たりにすると、このカポーティの格言のつづき、「You can't have too many friends because then you're just not really friends(友だちを多く作りすぎちゃいけない、なぜなら君たちは友だちですらなくなるから)」という下の句が俄然真実味を帯びてくる。彼女たちの遺伝子には、「友情」よりも「愛情」を優先するプログラムがインストールされており、友情なんて所詮、愛情を手に入れるまでの都合の良い仮住まいでしかないのだ。

[ 2010/10/01 ]

永本冬森   ながもと ともり

現代美術家。ニューヨーク、東京、トロントを拠点に活動中。今年秋には詩人として詩画集を発表予定。

*TV出演のお知らせ*
カナダのTV局Bravoの人気リアリティ番組『Star Portrait』に出演します。詳細は以下ウェブサイトをご覧ください。
日 時:10月9日(土)20時
サイト:starportraits.ca


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