気分は生活習慣病

129「E判定は良い判定?」

一日12時間を自宅に閉じ篭もり受験勉強に費やす、人生で初めて勉学に対する努力を本気でした気がする浪人生活。元々、高校在学中に何の勉強もしていなかったからか、脳内の勉学を司る部分は綺麗に新[さら]の状態であったようで、空のハードディスクにソフトをインストールする場合に他のファイル等が存在することにより生じる妙な負荷が一切無いが故に物凄くスムーズに事が運ぶのと同様、からっからに乾いたスポンジが水を物凄い勢いで吸収していくかの如く、集中力こそ散漫であっても、勉強をすればする程、こなしていく問題集の数に見事に比例して気持ちが良いぐらい成果が表れた。

自宅浪人ではあるものの、S台予備校、K合塾、Y々木ゼミナール等の大手予備校が定期的に実施する模擬試験は積極的に受けていた。バイト代の殆どが大体これの受験料に消えていたように記憶する。高校在学中には、一応進学校ということもあってか、学校側が普段の授業を潰してこういった模擬試験を実施していたが、その時の偏差値は30も満たなかったように思う。それが、本格的に受験勉強に取り組み出して数か月で偏差値85にまで上り詰めた時、何故今までしようとしなかったのかという後悔から来る自責の念もさることながら、自分自身には無いと思っていた学習能力が意外にも爆発的に発揮されたことへの驚愕から来る喜びが余りに大きく、それは長期間使っている自分の携帯電話に、今まで全く気付かなかった機能が備わっていることを発見し、それが物凄く役立つ事を知った時の感動以上のものとなり、日々の勉強に益々精が出る…

筈だった。

模試の結果には志望校に対する合格可能性判定たるものが常に記載されており、A〜Eの5段階[A…合格可能性80%以上、B…合格可能性80〜60%、C…合格可能性60〜40%、D…合格可能性40〜20%、E…合格可能性20%未満]で区分けされているのが一般的なのだが、高校の時に友人達と「どうせ、どの大学を選んでもE判定になるんやから、いっそ早稲田とか東大とか全く手の届かん学校の名前書いとこうや!」という、ちょっとしたノリのようなものがあり、実際何処の大学名を書いても、その横に『E』と表示されていたのは私ぐらいのもので、期待に見事に応えた私の成績表を見て笑っていた友人は早稲田や慶応の横に『B』や『C』といった全く笑えない本気の表示がなされていた為、逆に恥ずかしがって「うわっ、最悪や! こんなん誰にも見せられへんわ」と悪い成績を装い、私には一切見せようとしなかった。―その時、私はその友人の成績が本当に私より悪いものだと信じていた。今思えば、何故気付かなかったんだろう。『E』より恥ずかしい判定など無いことに…

然し、そのノリは一人ぼっちになった浪人になっても抜け切らず、何の希望も志望も無いのに早稲田大学の名前だけは行儀良く毎回書いていた。すると、その横に我が目を疑う程、燦然と輝く『A』の文字。

元来そういう判定に惑わされない頑強な心を持った私の体は、受験日まで半年以上ある段階で早稲田に半分入学していた。

[ 2009/11/04 ]

nob morley
最近お酒を随分と飲むようになった。今月も締切り前の2日間、グデングデンになり、ベロンベロンで帰宅。そして、締切りがまたも過ぎてしまった…。

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