気分は生活習慣病

153「恋の病という病気」

患者:最近、ある人のことを考えると物凄く胸が苦しくなるんです。誰かに胸を締め付けられているようなそんな感覚で、急に息苦しくなって、呼吸が出来なくなるんです。

医師:それは…

患者:先生、私の病気は何ですか?治る病気なんですか?

医師:貴方の病状はかなり進行した状態にあり、正直に申し上げますと、完全に手遅れです。そうなる前に手を打つべきだったのかも知れませんが、ここまで進行してしまった以上、病気と闘っていくしかありません。幸い、不治の病という訳ではありませんので…

患者:じゃぁ、先生、薬を…

医師:残念ながら…投薬治療では治りません。どんな薬を処方しても何の効果も無いでしょう。

患者:てことは、手術ですか?

医師:それが…いくら貴方の身体を切り開いたとしても、貴方の心の中までは見ることが出来ません。手術をしても単に外傷が増えるだけで何の解決にもなりません。

患者:じゃあ先生!私は一体どうなるんですか?病名は何なんですか?

医師:病名は“恋の病”です。完治させるには貴方の言う“ある人”との『まぐわい』が必要になってきます。それさえ達成されれば、症状は随分と楽になり、後は時間が根治へと導いてくれるでしょう。

患者:そうですか。良かったぁ〜。…で、『まぐわい』って何ですか?

医師:・・・

患者:先生っ!先生っ!

と叫んだところで、目が覚めた。
夢か真か判断付かないまどろんだ状況で思案した結果、どうやら夢の中の患者は私だったようだ。医師は私の質問に答えずどんどん遠くに離れて消えていった。そして、残した言葉が『○○○○』…忘れてしまって思い出せない。4文字だったことは覚えていても、医師が言った大事な言葉が思い出せない。夢の中でのことだから、大したことではないと思っても、どうしても気になる。それは、自分が日常使ったことのない言葉だったからだ。己の知らない言葉を夢の中で誰かが言うなんて事が普通に起こり得るのか分からないが、とにかく、それが神の啓示か何かに思えて仕方なく、気になって寝れない…と感じる前にぐっすり寝たが故に眠くなかった。謎の4文字を思い出そうと思案を繰り返すが、どうしても搾り出してくることが出来なかった。諦めた私がおもむろにテレビを点けると、当時野茂英雄投手がメジャーに行った時であり、各局が争うように連日野茂報道をしており、その一環で或るメジャーリーガーが紹介されており、彼の名前が『マーク・マグワイア』。それを見た瞬間、「『まぐわい』や!」と叫び、慌てて辞書を手にし、漁るようにその4文字を探した。『まぐわい』(目合):@目を見合わせて愛情を知らせること。めくばせ。A男女の交接。性交。
@かAの意味で悩むより先に私は“ある人”との交接しか考えていなかった。

[ 2010/11/05 ]

nob morley
吉本新喜劇所属のお笑い芸人。大して呟いてませんがツイッターをはじめました。nobmorleyで検索してみて下さい。

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