気分は生活習慣病

160 偽りの道程と同定

全くの未経験なのに経験者と間違われる。決して珍しいことではない。人は容姿や外見などで相手を判断することが多く、喫煙者や飲酒者など、何となくその人の放つ雰囲気で“多分吸うんだろう、飲むんだろう!”と決め付けていることが多々あり、それが故に、大酒飲みのタバコ吸いと思っていた人が下戸の嫌煙者だったりすると必ず、相手への第一印象が失礼に値しても全く気にせず、本人に向かってまるで褒め言葉のように遠慮無く「意外ですねぇ!」と言ってしまう。 スノーボードなどまさに、見掛け倒しの連続で、ファッション性ばかりが取沙汰されるスポーツになってしまってるが故に、ゲレンデ内のレストランには一見一流のボーダーが溢れている。然し、いざ外に出て滑りを見ると、お尻を突き出した超ヘッピリ腰で、板で滑るよりも明らかに身体で滑り落ちていく距離の方が長いであろうと思える程ゲレンデでのた打ち回っていたりする。また、こと女性ボーダーに至っては、雪面による光の反射と体のラインが全く分からない可愛いウェアーに誤魔化されて、ほぼどんな女性でも極上の女性に見えてしまう。顔の半分を大きなゴーグルで覆い隠していようとも、顔に自信が無いからだ!などとは決して思わない。私など、ゴーグルのメーカーがOAKLEYであったりすると、かなりのスノーボード上級者か若しくは彼氏がボーダーで一緒に来ていると推測し、それがCARRERAやSWANSだったりすると「もしかしたらこの娘はスキーも出来るのでわ?」と余計に興味を抱いてしまう。それぐらいゴーグルをしている女性に対し、ウィンタースポーツを本当に楽しもうとしているのだと好感が持てたりする。然し、これが逆に休憩所に入り、被っていた可愛らしさ百倍ニット帽を脱ぎ、ゴーグルを外し、ウェアーの上着を脱ぐと、髪の毛は後ろ髪ボサボサ前髪ペッタンコという入り組んだ状態、顔は少し日焼けしゴーグルの型がくっきり出て軽いマントヒヒ状態、そしてインナーが防寒の為に身体にフィットしている所為で見えていなかった上半身のラインが露わとなり…夢が覚めたような心地を味わうことになる。これは最早“意外”とかではなく、本人から相手に見せ掛けている部分が余りに多い点から言えば半ば『詐欺』に近く、ただただ“残念”であり“無念”である。 とは言え、そう見せていた人には全く罪は無い。何ならそう見てしまった人の方が遥かに罪深い。 過去の私が、完全なる純粋童貞種(玄人での経験も無い)にも関わらず、ある女性から“セックスが上手そう”と思われたのは、自分からして“意外”であったが、それ以上に、その女性への自分の興味も然る事ながら、彼氏と呼べる特定の男性がいるのに「貴方の方が今は気になる!」と堂々と私に興味があると言った上で、「一度お相手願おうかしら…」的な意味合いの笑みを残して目の前から去って行かれたとなると、罪どうこうの話ではなく、取り敢えず、自分が上級者に見えるように、ボーダーがアルペンに新しいウェアーを買いに行くように、私は経験者に感じられるようにツタヤへAVを借りに行くしかなかった。

[ 2011/02/04 ]

nob morley
吉本新喜劇所属のお笑い芸人。先日、フェイスブックを始めました。本名で登録しています。探してみてください。 www.yoshimoto.co.jp/shinkigeki

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