のんびりアート

030「アートキャンプ」

ちょうど1年前の6月25日、ダンフォースとブロードビュー近くにある私立学校の、サマー・アートキャンプ・クラスで工作の教室を手伝った。…初めての経験だったが楽しかった。

Sさんから電話があり、友人である先生のベティさんがアーティストを探しているとかで午後5時に来ますが作品のサンプルを持って会いに来てみない?と言う。(仕事のサンプルは沢山あるのですワタシ)。…そして会ってみたら、その場でOKが出たのだった。ちょうどその頃、僕は、和紙で直径4.7cmルのミニチュアサイズの野球帽を作っていて、その作り方を子ども達に教える事になった。でも、フト考えた。4.7cmでは子ども達に小さ過ぎて難しいのでは?それと女の子の帽子も必要なのでは?そんな訳で、直径7cmの帽子を2種類、見本として作った。

さて当日、背中のリュックを材料、道具で一杯にして自転車で学校に行く。大きな木々の緑の下に造られた、教室とほぼ床続きの外の木造ベランダで、すでに子ども達がワイワイと焼物のろくろ回し、動物の仮面作り、ペインティングなどを実習している。年令は5才から10才ぐらいみたいだ。僕のテーブルも用意されていてその上に道具を広げた。となりのテーブルではSさんがしぼり染めをやるのだ。ベティ先生の紹介と説明が終わると、最初7人の子ども達が丸いテーブルにやって来た(うれしい。だれも来なかったらどうしようと思っていたのです)。その中に5才くらいの女の子がいて、僕のとなりにすわってにっこり。

「なにゆえに小さきボウシなど作るのであるか?」という子ども達のギモンを除き、目的を見つけられるようにと、僕は小さなビーバーとフィリックスねこの人形をリュックから出すと小さな帽子をかぶせた。それがとてもかわいく、子ども達の目が急に大きくなった。それぞれが自分のおもちゃを思い出したのだろう…。

直径7cmのスタイルフォルムで出来たボールを型にして、その半分の丸い部分を紙でかこみ、さらに小さくちぎった和紙を3〜4重にグルーではりつける(あああ、グルーのつけすぎ、わっ、ドロドロだあ)。少し乾いたらボールからはずす(あっ、つぶれちゃった)。陽よけつばをつける(形はボクが切ってあげます。ハイ、グルーをつけておさえて…)。ジェッソを全体にぬる(これが乾くと形が強くなります。ギャッそんなに厚くぬったら乾かないよ〜ん)。そして仕上げに色をぬってデザインします(オッ、かっこいい。みんなドロドロぬりが好きですネー)。形が小さいので指先集中の作業だったけれど、となりの女の子も僕のヘルプを受けたとはいえ最後までやり通してにっこりと、さわやかな風が吹いてきてそれぞれの傑作を乾かしてくれた。そして、みんなが大好きな、夏がやって来たのだった。

[ 2009/06/19 ]

日塔 富夫
トロント在住のイラストレーター。1971年渡加。Esquire、The Financial Post Magazine、Saturday Night、Toronto Lifeなどの表紙、挿絵を手がけたほか、映画『The Fly』『M Butterfly』にも作品提供する。

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