のんびりアート

033「それでも元気!!」

おどろいた。新聞の記事などでそれとなく様子は知っていたつもりなのだったが…。2か月程前、Today's Parentという雑誌のイラストを描き、その時手渡された記事コピーを読んで、僕はおどろいてしまったのだった。内容は小学校の安全ガイドについてなのだが、その中に”ロックダウン・ドリル“という言葉も出て来たりして、その意味がピンと来なかったのだ。折よくエージェントに僕がまだいる時に9月からOCADに進学する事が決まっていた生徒さんがやって来て、彼女に様子を聞いてみると、なる程、記事コピーに書かれている通り…。つまり”ロックダウン“とは、学校のまわりに危険人物、危険事が近づいていると判断した時、学校内への出入口を全部閉鎖してしまうのだそうだ。時によっては子ども達はそれぞれの机の下に身を守るという事もやるらしい…。つまり、大事に備え、それらを”ロックダウン・ドリル“と言って年に1〜2回訓練をするのだそうだ(火災訓練と同じみたいです)。

ほかにも、いじめの問題、あぶない遊び道具、有害物が混ざった空気の問題などなど、学校の回りには危険がいっぱい…そんな内容の文章を読んでワタシは途方にくれてしまったのでした…(どんなイラストを描けばいいの?)ラッキーなことにADからのメモがあり、メイン・キャラクターとして、銀行の現金保管室にある、あの分厚い鉄とびらを絵の中に使ってほしいとの事。ネガティブ・イメージはダメ、子どもは8才〜13才ぐらい、あとは自由…。そんな訳で3点のアイディアスケッチを提出したのだが、結果その中の2点の合体折衷案でやる事になりいつもと違うカワユイスタイルで、木のキャンバスにカラーで描いたのだった。さて、どれとどれの折衷なのだろうか?(答えは…今、書店に出ている雑誌、Today's Parentの9月号53頁、The Safe School Guideに出ています)。

いつ頃からかこんなキビサビシイ世の中になってしまったのだろうか…(昔からそうですヨと言う声も聞こえて来ますが?!!)人間は、本当に大切な事は ”何“なのかを理解しているハズなのに、なにかしら、いつもその核心に至る事をせず周りをウロウロしたり引き返したり、そんな事ばかり繰り返している様に思われる。解決するのを怖がっている様にも思われる。つまりはこうなのだろう…、解決すればもうからないのだ。解決すれば金が動かず利益にならないからなのだ。すべてが『欲望経済学』という学問で地球上が運営されているのだ。社会通念と化したこの学問が教育という名のもとに子ども達に教えられていく…。

人間は青空の下で幸福になれる。海の広さと豊かさの前で優しくなれる。そして、それを一番良く知っているのも子ども達なのだ。

[ 2009/09/18 ]

日塔 富夫
トロント在住のイラストレーター。1971年渡加。Esquire、The Financial Post Magazine、Saturday Night、Toronto Lifeなどの表紙、挿絵を手がけたほか、映画『The Fly』『M Butterfly』にも作品提供する。

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