のんびりアート

048「やったねビーバーさん」

 

ニットウ:「うれしいなあ、ビーバーさんと対談が出来るなんて思ってもみなかったヨ。ここ数年、家の近くを通ってもいつも姿は見えないし、せっかくビーバーさんが喜びそうなニュースも持っているのに…もうここには住んでいないのかも?とがっかりしていたんですよ。」

ビーバー:「君が時々ワシの所を訪ねて来る事は知っていたさ。そしてビーバーになる訓練を君が自分でやっている事も知っていたさ。でも、まだまだ雑念が多かった。自分をほうり投げていなかった。」

二:「ワーッそんな事までお見通しなのですか?おそれながらチョウまいったです。」

ビ:「人間の欲を覚えてしまったら最後、それをほうり出して逃れるのは大変な事なのじゃよ。欲はあってもいいのじゃ、だがその対象が何であるかをはっきりしておかないと、限りなく引きずられる事になる。ワシらの仲間にも、木の皮だけじゃイヤダ、おいしい物が食べたいなどと言う若者が出て来てこまっているのじゃ。ところで、ワシの喜びそうなニュースって何かネ?」

ニ:「やったねビーバーさん!!ですよ。つまりこういう事…宇宙からも見える世界一大きなビーバーダム…が、カナダのアルバータ州で見つかったんだって。」

ビ:「万里の長城が宇宙から見える事は知っていたが、ワシらの仲間が造ったダムが宇宙から見えるって?ギネスブックにのったのかね…アレま、これは人間の欲の発想じゃワイ…つまりビーバー達は必要にせまられて長いダムを造った訳だ。やったね。」

ニ:「800メートル位の長さがあり、30年以上もかかっているみたいなのですよ。これは確実に複数の世代が引き継いで作業をやっている訳です。それに、まだ伸びそうなんだって。」

ビ:「ん…ワシらの命は12〜13年だからね…。それらの情報はコンピュータから探したのかい?」

ニ:「新聞に出てたんですよ。オレ、コンピュータ持ってないんです。ついでだから言います…テレビもない。セルフォンもない。CDプレーヤーもない。車もない。人呼んでケイブ(洞窟)人間!!」

ビ:「オーッ。ワシと同じではないか!!君が自転車を持っている事は知っているぞ。いつもそれでここに来る訳だから…。」

ニ:「ビーバーさんと知り合って長いよね。前にOWL(オウル・マガジン/小学生用)でビーバーさん達のダムとロッジ(家)造りをイラストした事があるんですよ。」

ビ:「みんな知らないからね。I、MY、MEと自分の事ばかりで頭が一杯、自分防御で心はさざ波状態。そんな"自分“は自分でないのも気がつかない…。さて、この辺で君がビーバーになる方法を教えてあげよう。」

[ 2010/12/17 ]

日塔 富夫
トロント在住のイラストレーター。Esquire、The Financial Post 、Saturday Night、Toronto Lifeなどの表紙、挿絵を手がけたほか、映画「The Fly」「M Butterfly」にも作品提供する。サイトwww.tomionitto.com

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