のんびりアート

051「カメラのポートレート」

 

「カメラのドローイングを50点ぐらいやってみない???」…そんな、沢山のクエスチョンマークから始まったカメラのポートレート(このポートレートという言葉を使ったら、ある人からカメラに首も肩もあるのかと聞かれ、 ありますヨとボクは爽やかに答えたのでした…ビーバーさんからビーバーになる術を習得した身ですヨ!)この頃、やっとこさと30点までこぎ着けた所である。

始める前に少し考えた。これは仕事ではないのだから、のんびり楽しくやること。カメラその物が完成された精密機械だから、それに引き込まれて絵も精密描写にならない様に楽しくやる事。鉛筆と水彩カラーひとつだけのスタ イルだけではつまらなく飽きるので、ボールポイントペン、筆ペン、マーカーペン、色鉛筆など数種類の材料をその時の気分で選び、自由に楽しくやる事。とにかく、楽しく、たのしく描く事なのだ。

第1号として目の前のテーブル上に置かれたカメラ、ボーレックスという手持ちの映画撮影用カメラ。これと同種のカメラで撮った有名な映画があるらしい。ムムム、最初に難しいのがやって来たワイ…

そんな風に感じた僕は、長いレンズを中央に小さなレンズ、レバーなどが複雑に付いているカメラをボールポイントペンで描いた。鉛筆による下がきな し、失敗の線なしで一気に描いた。2枚目はジャバラが付いたカメラ、鉛筆ラインと水彩で仕上げた。これも失敗なし消しゴムなし。3番目を用意している所に、ビルさんがやって来て言った。「ひとつ描くのに10分〜15分で終わるのだろう?」オットット…そう簡単ではないのですよ…箱型をかいてレンズをつけるだけのカメラなら10分〜15分で出来るだろうけれど。とにかく、いろんなメーカーの機種があり、細かい部品、付属品が複雑に美しくつながりあって、統一体としての機能美で自己完結しているカメラ… その美し さに負けない様に、簡潔に、きちんと描きたいと決めていたので、時間はもっとかかるんですよ。

3番目のカメラの描き始めから3分間程、ビルさんが手に持っていたデジカメで僕の手先だけを動画に撮った。その映像がおもしろい。指先が持っているのは毛筆ペン、白い紙の上で筆の穂先が考えているのだ。次の線をどう引 こうか思案しているのだ。紙の上に着地すると覚悟を決めた様に動き、しばらくすると又とまり次の線のつながりを考えている…そんな繰り返しの様子がおもしろい。3分間ではホンの始まり部分だけだったけれど、その後ボクの手先は元気に働いて、下がきなし失敗なし消しゴムなしの三無で描き終えたのだった。ヤッター!!

カーシンさんがそれらを選ん でオンラインに入れてくれたみ たい…Tomionittocamerashop. com だって。おどろいたァ! !

[ 2011/03/18 ]

日塔 富夫
トロント在住のイラストレーター。Esquire、The Financial Post 、Saturday Night、Toronto Lifeなどの表紙、挿絵を手がけたほか、映画「The Fly」「M Butterfly」にも作品提供する。サイトwww.tomionitto.com

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