Pride

鮮やかな虹色の旗と共に
「プライド」を掲げるフェスティバル

(2009年06月19日特集記事)

チャーチ・ストリートとウェルズリー・ストリートが交差するエリアには沢山の虹色の旗がはためいている。バーやレストランなどの飲食店が建ち並ぶ賑やかなその界隈は、いわずと知れたゲイ文化の中心地。このエリアを中心に毎年6月の後半、「プライド」と呼ばれる10日間のイベントが開催されている。カナダ国内外から約100万人以上が集まり、2年連続で「Best Festival in Canada」に選ばれている大イベントだ。今回のテーマは"Can't Stop, Won't Stop"。回を重ねるにつれて大きくなるこのイベントの勢いは、今年も止められないだろう。

トロントは同性愛者に対して寛大であると言われている。多文化社会でありマイノリティーの権利を尊重する土壌があること、またカナダ国内では2005年に同性結婚が認められ、世論調査でも国民の大多数が同姓愛に対して理解を示していることが理由に挙げられるだろう。しかしながら、権利獲得までの道のりは長く、平坦なものではなかったこともここで述べておこう。

間違った認識や偏見により同性愛者に関する悲しい事件が世界中で起きてきたが、とりわけ歴史的な事件として挙げられるのは1969年にニューヨークで起こったストーンウォール事件だ。同性愛は違法とされていたこの時代、ゲイバー「ストーンウォール・イン」に摘発に入った警官に対し、同性愛者たちが暴動を起こしたのだ。いつもは従順に逮捕されていた彼らの反撃に驚いた警官らにより、多くの同性愛者が虐待にあった。しかし、この事件をきっかけに世界各国で同性愛者に対する理解を求める運動が盛んに行なわれるようになる。

カナダでの『プライド』の始まり

ここカナダでも同様に、その差別がまだまだ根強いものであった渦中の1981年2月、同性愛者の集まるパブが一斉検挙され、306人が逮捕された。そしてその名前はメディアを介して公表された。これにより多くの人々の生活が破壊され、社会的・経済的困難を強いられることとなった。この事件に抗議して同性愛者やサポーターが集まり、1500人のデモを行なったのが「プライド」の始まりとされている。以降、イベントは毎年開催され、参加者は87年に1万5000人、93年には15万人に増加。01年には同性愛者だけでなく、バイセクシャルやトランスジェンダーのようなセクシャルマイノリティーの人たちの参加も認められた。その後も参加者は増加し、現在の規模に発展している。

レインボーの旗の下

とはいっても、「プライド」は悲しい歴史の影を引きずったイベントではない。セクシャルマイノリティーのシンボルとなっているレインボーの旗のごとく、カラフルで陽気なフェスティバルが「プライド」だ。様々なパフォーマンスが各特設ステージで行なわれ、国内外のアーティストたちが参加する。また、チャーチ・ストリート沿いのバーでは毎晩イベントが開催されるので、期間中に近隣をそぞろ歩きするだけでも雰囲気を楽しむことができるだろう。
そしてなんといっても見逃せないのが「プライド・パレード」。イベントの最終日曜に行なわれる北米最大級のゲイ・パレードである。華やかな衣装をまとった集団、デコレーションされたフロート車とその上で曲にあわせて妖艶に踊る人々、中には全裸(!)に近しい格好をしたグループが行進に参加するなど、色々な意味で街中が異様な熱気と興奮に包まれる。声を大にしては言えないが、イケメン達の肉体美を目にしようと訪れる女性の観光客も多いとか...。
同性愛者差別、性的差別がある世の中でも、誇り"プライド"を持って暮らしたいという願いが込められ、自由と権利への理解を深めようというスローガンを掲げて行なわれるこのパレード。それは目に鮮やかなだけではなく、人生を楽しもうとするエネルギーを見る者に与えてくれるだろう。

トレードカラーはなぜ虹色?

レインボーはゲイ・コミュニティの多様性・平等性の象徴。また、ミュージカル「オズの魔法使い」で有名なジュディ・ガーランドの名曲「虹の彼方に」にちなむと言われる。ストーンウォール事件が起きた時ゲイバーに集まっていた人々は同性愛者に理解を示し、自らもバイセクシャルだった彼女の追悼をしていたという話は有名である。

Event Information

Pride

【日 時】6月19日(金)〜28日(日)
【場 所】Church St. エリアほか
【入場料】無料〜
【連絡先】416-927-7433、office@pridetoronto.com
【サイト】www.pridetoronto.com

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Pride Week Events

Official Launch Party

【日 時】6月19日(金)19:00〜
【場 所】Woody's(467 Church St.)

The Flag Raising Ceremony

【日 時】6月22日(月)
【場 所】City Hall(100 Queen St. W.)

Global Human Rights for Queers

【日 時】6月22日(月)
【場 所】Isabel Bader Theatre(93 Charles St. W.)

Family Pride

【日 時】6月27日(土)、28日(日)11:00〜18:00
【場 所】Church Street Junior Public School(83 Alexander St.)

The Dyke March

【日 時】6月27日(土)14:00〜
【場 所】start at Church and Hayden streets

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