Nuit Blanche

一夜限りのアートの祭典

(2009年09月18日特集記事)



Beautiful Light: 4 LETTER WORD MACHINE, 2009
-Light Installation
D. A. Therrien - Phoenix, AZ, USA

Nuit Blanche(ニュイ=夜、ブランシェ=白)とは、直訳すると白夜を意味する。実際は『眠れぬ夜』や『徹夜』を意味し、10月3日の夕暮れから一夜だけ開催されるこのアートイベントにぴったりのタイトルだ。

トロントでの開催は今年で4回目。フランスのパリで2002年から始まった夜通しの同名アートイベントを模して、2006年から開催されている。当初、ヨーロッパと文化としてのアート背景が異なる北米での開催ということで、その成功を疑う声もあったが、蓋を開けてみれば大成功。トロントの街を42万5000人の観衆が埋め尽くした。

去年は100万人が参加し、恒例行事として今ではすっかり定着した感のあるこのイベント、今年もさらにスケールアップして開催される予定で約400組のアーティストが世界中から集まり、市庁舎ビルでの特別インスタレーションとA・B・Cの3ゾーン合わせて130を超える展示や参加型アート作品が街を占領する。

ゾーン別、今年の見どころ紹介

まず、注目したいのが市庁舎ビルを舞台に行なわれるインスタレーション『Beautiful Light: 4 LETTER WORD MACHINE, 2009』。眩しく輝くライトの光がDNAを思わせる螺旋を描く。そしてダウンタウンから北にかけて網羅するゾーンAでは参加型作品など52の展示とプロジェクトが楽しめる。旧市庁舎では耳には聞こえるけれど目に見えないサーカスが、そしてマッシーホールでは世界一大きな楽器が鳴り響く。

ユニオン駅とハーバーフロント、ファイナンシャル・ディストリクトをカバーするゾーンBでは、42のプロジェクトが展開されている。フェスティバルを盛り上げるように色を変え続けるCNタワーを背にベイ・ストリート沿いを行こう。経済の上がり下がりを肌で感じるかのようなカーニバル・ライドが道行くなか、トロント証券取引所ではセレブたちがボードゲーム『モノポリー』を楽しむ。しかし、通常のゲームではなく、セレブらしく現金をかけてさいころを投げるというから一見の価値ありだ。そしてゾーンCまで足を伸ばしてみよう。

バンクーバーの現代アートギャラリーCentre Aの原万希子がキュレーションに加わったこのゾーンでは、36のプロジェクトが待ち受けている。見逃せないのは、日本から参加する坂口恭平の『BICITYCLE (Bike City), 2009』、砂山典子のライブ・インスタレーション『A SULTRY WORLD, 1995-2009』。坂口は日本のホームレスの生活からインスピレーションを受けた目から鱗のモバイル・ライフをインスタレーションでみせ、砂山は観衆を長く真っ赤なスカートの中へと誘う…。加えて、トロントを拠点に活躍する日本人アーティストの丸山明子もヨーク大学生のコレクティブとして参加する。

Downtown North

市役所やヨークビル、AGO、ROM、国際交流基金トロントなどが含まれるこのゾーンは、ヤング・ユニバーシティラインの地下鉄での移動が便利。地下鉄ダンダス駅近くのヤング・ダンダス広場に設置された『スコシアバンク・インフォメーション・センター』で情報を収集してから眠れぬ夜をスタートさせよう。ここからは徒歩でゾーンBに移動が可能。ゾーンCに行きたい場合は、地下鉄ユニオン駅から509ハーバーフロントストリートカー利用が便利。

Downtown South

ディスティレリー・ディストリクトやスパダイナ沿いにある401リッチモンドビルをカバーするゾーン。多くのプロジェクトには、ヤング・ユニバーシティラインの地下鉄を利用しながら徒歩で移動するのが便利だが、ディスティレリー・ディストリクトを訪れたい場合は、地下鉄駅から徒歩移動すると時間が掛かるので、キング沿いを走るバスなどを利用しよう。地下鉄ユニオン駅にインフォメーションセンターが設置。

South / West

クイーン・ストリート沿いに位置する公園、トリニティ・ベルウッズ・パークや、トロントのヒップなアドレスとなりつつあるリバティ・ストリートを含むゾーン。このゾーンへのアクセスは、ユニオン駅から西行きのストリートカーを利用するか、地下鉄ダファリン駅、もしくはオシントン駅からバスで南下しよう。ランポート・スタジアム(1151 King St. W.)にインフォメーションセンターが設置されている。

Event Information

Nuit Blanche

一晩かけても周り切れない現代アートの数々。地下鉄やストリートカーも深夜の特別スケジュールでこのナイト・イベントをバックアップする。何しろ範囲が広いのと圧倒される数の作品数なので、ウェブサイトで必ず見たい作品を事前にチェックするか、各ギャラリーで手に入るオフィシャル・パンフレットで予習しておこう。

【日 時】10月3日(土)18時55分〜10月4日(日)明け方
【場 所】トロント市内各所
【入場料】無料
【サイト】www.scotiabanknuitblanche.ca

【ゾーンマップ】
map

公共交通機関

【地下鉄】
通常午前1時30分ごろに最終となる地下鉄だが、この日は以下の区間のみ終日運行する。
・Bloor-Danforth subway:Keele駅〜Woodbine駅間
・Yonge-University subway:St. Clair West駅〜Eglinton駅間

【ストリートカー・バス】
TTCが運行しているブルーナイトバス(24時間運行バス)は通常通りに運行。これに加えて、いくつかのルートでストリートカーとバスが夜通し運行される。
・509番 Harbourfront Streetcar:Union 駅(ゾーンB)〜Liberty Village(ゾーンC)
・300番 Bloor -Danforth bus:Kipling、Warden、Kennedyの各駅行き
・320番 Yonge bus:Finch駅行き
・Express Spadina Subway Shuttle:St. Clair West 駅〜Yorkdale、Wilson、Downsview各駅行き

お得情報

TTCではNuit Blancheのためにオールナイトで使用できるディ・パスを発売している。1枚9ドルで10月3日(土)〜4日(日)9時まで使い放題。大人2人、子ども4人まで使用可能。

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