Silver Roots

ジャンルを超えた音楽を届けたい
『Japan Meets World』コンサート

(2009年10月02日特集記事)

9月25日、ジャパンファウンデーション・トロントで開催されたニューヨークベースのグループ『Silver Roots』のコンサート。会場を満員に埋め尽くす観客数を動員したこの話題のグループのメインメンバーはマリア・カネコ・ミラーさんとショーン・ワイコフさん。ニューヨークにある音楽の名門校ジュリアード学院で出会った、カナダ人バイオリニストとアメリカ人フルーティストだ。

「ニューヨークのジュリアード学院で学んでからそのままニューヨークに住んでいますが、生まれはカナダのエドモントンです。でも、実はトロントでコンサートをするのは初めてなんです」

こう語るマリアさん。ミドルネームからも分かるように日系人を血筋に持つ。今回開催されたコンサートの曲目も、オリジナル曲『ツル』から始まり、最後は『ソーラン節』で締めるという、日本のエッセンスをふんだんに取り入れたものだ。

「私は小さい頃からエドモントンで日本人学校に通ったり、夏休みを利用して日本の学校で学んだりしたので、色んな日本の曲を覚えました。日本の曲はメロディーにマイナーキー(短調)をうまく使っているところが素晴らしいですね。私たちが演奏するバイオリンとフルートという楽器は確かに西洋のものですが、伝統的な方法で弾く必要は全くないと思っています。実は、日本の曲を演奏する時にはバイオリンで三味線や琴のような音を出すこともできるんですよ。
でも、今回のコンサートでは日本の曲だけにスポットを当てたわけではないんです。私の父はアイルランド系なのでアイリッシュソングのアレンジを加えたり、ショーンはフルートで『Kokopelli』というネイティブ・アメリカンのホピ族からインスパイアされた曲を演奏します」

マリアさんの言葉を受けてショーンさんはこう語る。

「意外かもしれないですが、日本の曲にはフルートの音色がすごく合うんですよ。最後の演目のアイルランドと日本の民謡にも非常にぴったりとマッチします。日本の曲では尺八の音色を考えてもらえば分かるように、"笛“はゆったりとしたリズムで演奏されるのが特徴ですね。その特徴的な音を真似して(フルートを)吹くこともあります。クラシック音楽のフルーティストは同じ音色で吹きますが、ワールドミュージックを演奏する時は様々な手法を使って全く異なった音を出すよう努力していますし、それが面白いところですね」

『Silver Roots』の音楽は様々なルーツを持つことで生まれた新しい音楽。マルチカルチュアルな街、トロントの魅力とその躍動感に似たものを感じさせてくれる。

「クラシックミュージックとワールドミュージックなど異なるジャンルの音楽を同じプログラムで行なうことで、そのコントラストを感じてもらいたいんです。『Japan Meets World』では、それを感じることで新しいモノが生まれていくのではないかと思います」。

Biography

シルバー・ルーツ

マリア・カネコ・ミラー(バイオリン、www.mariamillar.com)、ショーン・ワイコフ(フルート、www.shawnwyckoff.com)。ソロとしてはもちろん、グループとしても10年以上ものキャリアを持つ。コンサートの曲目に合わせてチェロ、ドラムなどのメンバーが参加することもある。
【サイト】www.fluteandviolin.com

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