シネマ歌舞伎

最新技術と伝統芸能が融合した
新しいエンターテインメント

(2009年10月16日特集記事)

今年3月、初めてトロントで上映され大盛況のうちに幕を閉じたシネマ歌舞伎が、この11月さらに魅力を増して再上陸する。

前回、ジャパンファウンデーション・トロントのパイロット・プロジェクトとして始まったシネマ歌舞伎。日系人だけでなく多くのカナダ人も訪れ、3演目の上映で、のべ900人の観客を動員した。上映後、観客からは、「これほど綺麗なものは初めて観た」「まるで歌舞伎座にいるようだった」「他の演目のチケットも買っておくんだった」と多数の賛辞が寄せられ、予想以上の嬉しい反応に関係者は、第2回目の実現を早々に決定したという。それほどまでに人々を魅了したシネマ歌舞伎とは―?

ハイクオリティーの映像と音響で楽しむ

シネマ歌舞伎とは、HD(ハイディフィニション)高性能カメラで撮影した歌舞伎の舞台公演を映画館の大画面で上映するという新しい映像作品。「映画+歌舞伎」スタイルの新しい娯楽として、日本国内でも多くの演目が上映されている。

これまで、舞台公演を撮影・上映しても、その迫力を再現するのは難しいとされていた。画質、音響等の技術面において、本物の舞台の迫力には到底かなわなかったからである。しかし、HDカメラ、上映用デジタルプロジェクターの開発、コンピュータ、音響装置等の技術の向上がそれを実現させた。シネマ歌舞伎では、実際に観客の入った劇場で8台もの高性能HDカメラと数十本ものマイクによって収録された映像と音声を編集し、特別な劇場用プロジェクターと6チャンネルの音響で上映する。役者の時に繊細で時にダイナミックな動き、舞台上の鮮やかな色彩、独特の台詞まわしや長唄、三味線、鼓、笛、さらには観客の反応までをも、まるで客席にいるかのような臨場感で体感することができるのである。時には、客席からでは見ることができない角度からとらえた舞台や役者の表情までが、大画面いっぱいに映し出される。これは、シネマ歌舞伎ならではの迫力。華麗な舞台の美しさが押し寄せてくる。

歌舞伎を楽しむための演目セレクション

そして、今回特に注目してほしいのは、ジャパンファウンデーション・トロントが選び抜いた演目ラインナップ。2演目が追加され、歌舞伎をさらに様々な側面から楽しむことができる工夫がされている。

歌舞伎には、大きく分けて舞踊と芝居の2種類があるが、それぞれの分野で、現在歌舞伎界を背負って立っている中村勘三郎と坂東玉三郎の演目が選ばれている。色の異なる両分野において1人の役者に注目し、名実共に優れた役者の幅広い芸に注目して鑑賞するのも興味深い。また、勘三郎、玉三郎それぞれの魅力を同じ分野で捜してみることもできるだろう。さらに、演目中には古典作品だけでなく、現代劇作家が演出した作品もあるので、同じ役者の演目でもひと味もふた味も違う側面を楽しむことができる。本来ならば全5作品の鑑賞をお勧めしたいところだが、作品のセレクト次第でいろいろな楽しみ方ができることが魅力である。

現代の最新テクノロジーと日本の古典芸能の融合が実現させた「シネマ歌舞伎」。ハイクオリティーの映像と音響がもたらす息を呑むほどの迫力と美しさが、長い伝統を持ち今も進化し続ける歌舞伎の舞台をさらに感動的に、魅力的にしている。歌舞伎を知り尽くした人も、歌舞伎を観たことがない人も、一見の価値多いにあり!この機会をお見逃し無かれ!



きょうかのこむすめににんどうじょうじ
京鹿子娘二人道成寺
(英題:Dojoji, A Lover's Duet)

【ジャンル】舞踊
【出 演】坂東玉三郎、尾上菊之助 他
【録画場所】東京歌舞伎座(2006年)
【上映時間】71分

【ストーリー】長唄舞踊の最高峰であり、女形芸の究極とも言われるのが『京鹿子娘道成寺』。その二人版改作である『二人娘道成寺』を、一人の女性の執念が二人の肉体で表現される作品として玉三郎が新解釈。共演は、歌舞伎界のホープ菊之助。二人は寸分違わぬ密度で息を合わせ、時には鏡に映る姿のように対称的に、またある時は身振りと目線で心を通わせ合う。桜花爛漫の色鮮やかな演目。


にんじょう ばなし ぶんしちもっとい
人情噺文七元結
(英題:The Sentimental Plasterer)

【ジャンル】喜劇
【出 演】中村勘三郎、中村芝翫 他
【録画場所】東京新橋演舞場(2007年)
【上映時間】87分

【ストーリー】気立ても腕も良い左官職人の長兵衛だが、博打と酒がたたって年を越すのも覚束ない。ある日、娘のおひさがが行方知れずに。娘は借金の支払いのため、自ら吉原の茶屋に身売りをしようとしていた。茶屋の女将の心遣いを受けた長兵衛はその帰り、吾妻橋で身投げをしようとする奉公人を見つける…。人の情けと善意が次々と繋がっていく三遊亭円朝原作の落語を基に、山田洋次監督が補筆・演出した話題作。


れんじし <海外初公開>
連獅子
(英題:Triple Lion Dance)

【ジャンル】舞踊
【出 演】中村勘三郎、勘太郎、七之助
【録画場所】東京新橋演舞場(2007年)
【上映時間】55分

【ストーリー】人気演目『連獅子』を、通常の二人(父と息子)版から三人版へと勘三郎が特別編成。踊りの名手・勘三郎がふたりの息子を従えて舞い踊る。敢えて子どもに試練を与えようとする親の決意と思いやり、傷つきながらも見事に受けてたつ息子たち…親子の情愛がたっぷりと描かれる。後半では、息をぴったり合わせた豪壮な毛振りの迫力を、山田洋次監督がカメラマンを舞台に上げて映像に捕らえている。


かいだん ぼたんどうろう <海外初公開>
怪談 牡丹燈籠
(英題:The Peony Lantern)

【ジャンル】怪談
【出 演】坂東玉三郎、片岡仁左衛門 他
【録画場所】東京歌舞伎座(2007年)
【上映時間】155分(休憩15分有)

【ストーリー】牡丹の図柄も鮮やかな明かりを燈して毎夜現れる幽霊。その呪縛から逃れるために張られたお札…幽霊は策を講じてこれを剥がそうとする。その霊魂を生きている人間が金銭ずくで利用する…欲望と怨念に翻弄されて、栄華を駆け上がったかに見えた夫婦の行き着く先は? 仁左衛門・玉三郎の最強コンビが、夫婦のやり取りを絶妙な掛け合いで演じる。幽霊の恨みと人間の罪業。どっちが本当に怖い?


のだばん ねずみこぞう
野田版 鼠小僧
(英題:Nezumi, The Japanese Robin Hood)

【ジャンル】喜劇
【出 演】中村勘三郎、坂東三津五郎 他
【録画場所】東京歌舞伎座(2003年)
【上映時間】110分

【ストーリー】現代演劇の天才、野田秀樹が歌舞伎へ進出。大岡政談で名高い大岡越前守だが、実は妾を囲って淫らな生活をしていた―盗人が覗き見た有名人達の実生活はスキャンダルの連続。大詰め、義賊としての名声に押しつぶされるように屋根の上で息絶える主人公。その終幕へ至るまで、追っかけシーンあり、亡霊シーンあり、ドタバタ劇あり。爽快な新作歌舞伎。勘三郎の魅力が全開の演目。


Event Information

シネマ歌舞伎

【日 時】11月11日(水)〜15日(日)
【場 所】Scotiabank Theatre Toronto (259 Richmond St. W.)
【入場料】$23(税込)
前売り券は、劇場窓口またはオンライン(www.cineplex.com)で発売中

11月11日(水)19:00〜 京鹿子娘二人道成寺
11月12日(木)19:00〜 人情噺文七元結
11月14日(土)13:00〜 連獅子 15:00〜 怪談 牡丹燈籠
11月15日(日)13:00〜 京鹿子娘二人道成寺 15:30〜 野田版 鼠小僧
※全作品英語字幕付



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@事前にジャパンファウンデーション・トロントに電話またはメールにて申込み
【締 切】10月27日(火)
【電 話】416-966-1600 内線)229
【メール】taoyagi@jftor.org

A招待券は、郵送またはジャパンファウンデーション・トロントで事前に受取り。当日会場での受取りは不可
【場 所】The Japan Foundation, Toronto (131 Bloor St. W., Suite 213)

※ キモノご着用のご本人のみが対象。
※ お1人当たりの回数制限無し。ただし、各回10名様に限定。

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