Toronto Reel Asian
InternationalFilm Festival

話題のアジア映画作品が集結

(2009年11月06日特集記事)

映画の街トロントで、再び注目の映画祭が開催される。1997年に設立されたトロント・リール・アジアン国際映画祭。これは世界各国で活動する東アジア、東南アジアのアーティストによる映画、映像作品を観賞できる、ユニークなフィルムフェスティバルだ。今年は世界14か国から集まった期待の高まるカナダ初上映作品、感動の短編作品、各国の映画祭で受賞歴のある長編作品など、49本が上映される。

開催期間中には映画上映だけでなく、業界シリーズとしてエキスパートを招いての討論会などが行なわれ、カナダ映画界の活性化を目指す。また、来年度の同映画祭でのスクリーニングを目指す若手フィルムメーカー達が作品のアイディアを出し合うコンペティション「So You Think You Can Pitch?」のフィナーレを一般公開。その他、フォーラム、ワークショップ、パーティなども企画され、映像を観て楽しむだけでなくその裏側に関心がある人には特に見逃せないコンテンツの数々を用意。「映画」を多角的にとらえた幅広いフェスティバルとなっている。

注目の日本関連作品は?

毎年話題作が目白押しだが、今年の日本関連の作品もバラエティに富んでいる。著名な監督、俳優による純日本映画だけでなく、北米在住の日系人監督による映像作品など多種多様な作品が揃った。
スクリーニング部門で注目したいのは、スイスのヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭で最優秀作品賞を、またニューヨークアジア映画祭でポップカルチャーラッシュ賞を受賞した『フィッシュストーリー』。ベストセラー作家・伊坂幸太郎の人気小説を、大ヒット映画『アヒルと鴨のコインロッカー』に続き中村義洋監督が映画化。中村監督の抜群のユーモアセンスが光り、型にはまらない驚きのストーリーが展開される作品だ。また、物語のキーとなる曲を含め、全ての楽曲をシンガーソングライターの斉藤和義が担当しているのも見逃せない。

そして、アメリカに住む日本人家族を描いた『ホワイト・オン・ライス』では、日本アカデミー賞受賞女優である裕木奈江ほか、実力派俳優達が素晴らしい演技を見せてくれる。主役を演じるのは『硫黄島からの手紙』の出演でも知られ、アメリカを拠点に俳優活動を続けている渡辺広。デビッド・ボイル監督に「並外れた才能のある俳優であり、人間的に元々面白い人」と言わしめた渡辺が、彼のために書かれたという主人公を独特の雰囲気で演じている。

さらに、アルバム「A Grain of Sand」などで音楽家、また米国におけるアジア人活動家として知られるクリス・イイジマ氏を取り上げたドキュメンタリー『A Song For Ourselves(自分達のための唄)』。日系アメリカ人4世のタダシ・ナカムラ監督によって、貴重なアーカイブ映像やプライベート映像などを交えて精巧に作り上げられている。なお、同作品は、ユース教育プログラム『My Name Is…』の重要なパートを担う作品として上映される。

また、12日の日没から毎日、メイン会場であるトロント大学のイニスカレッジに映し出されるインスタレーション作品『Loop Holes』は必見だ。この作品を手がけるのは、日系カナダ人即興ミュージシャンであり、サウンドアーティストでもあるノブオ・クボタ監督。40年以上カナダのアート界で活動している同氏は今年、ビジュアルメディア・アーツ部門のカナダ総督賞を受賞している。上下、左右無秩序に動く混沌とした映像世界に、誰もが魅了されること間違いない。

地域密着型の映画祭として映画ファンを虜してきた同イベントも、今では各地から何千人もの参加者を集める活気に満ちたイベントへと成長している。素晴らしい作品ラインナップで観客を魅了するだけでなく、カナダにおけるアジア作品や映像アーティストの成長に寄与する、まさにカナダ映画界を活気づけるイベント。映像作品を楽しむもよし、業界の裏側を垣間見るもよし、時には映画議論を交わしてみるのも良いだろう。さて、この5日間、あなたはどう楽しむ?

Event Information

トロント・リール・アジアン国際映画祭

【日 時】11月11日(水)〜15日(日)
【場 所】トロント市内各参加会場
【入場料】$5〜80
※チケットやプログラムの種類により異なる
【連絡先】416-703-9333
【サイト】www.reelasian.com

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