EXTENSIONS V:
To The Floating Forest House

「森にうかぶ家」への遠足

(2009年11月20日特集記事)


All Photos (C) Myung-Sun Kim(左写真除く)
Illustration (C) Mary Ho

去る11月8日、現代美術館主催の展覧会『ニュークリエーターズシリーズ02 EXTENSIONS 森にうかぶ家』の最後のエクステンション先である「森にうかぶ家(中村邸)」への遠足が開催された。集まった参加者は約50人。心地よい天候にも恵まれ、美しい建築と森の散策を楽しんだ。

「森にうかぶ家」は、若手建築家の中村創(ハジメ)がアーティストの両親のために設計した住宅/アーティスト・スタジオ。トロント郊外の森の中に建てられたこの家は、ガレージから寝室までを長い直線の縁側で結ぶ「エクステンション(延長)」がコンセプトで、寝室部分の外観はまさに"森に浮かんでいる"ようだ。

「エクステンション」は家の構造だけでなく、日本からカナダへ、トロントから郊外へ、親から子へ、そしてアーティストからアーティストへ、と複数の「延長」の意味合いを持つ。現代美術館で5月に開催された展覧会『EXTENSIONS』では、国際交流基金でのパネルディスカッション、日系文化会館での池端ナーサリースクールとウィンフォード・シニアーズ・クラブをつなぐワークショップやアーティスト・トーク、母・中村路子のギャラリームラでの個展、と数々のイベントへと延長された。本誌でも特別企画としてフロアプランなどを紹介したことは記憶に新しいのではないだろうか。

「森にうかぶ家」には、縁側など日本家屋に見られる自然との共存の理論と、建築家フランク・ロイド・ライトやミース・ファン・デル・ローエからの影響が垣間みられる。そして床暖房、キッチン兼ダイニングテーブル、森に面した巨大な窓などには、アーティスト一家によるDIY(Do It Yourself)ならではの斬新さがある。

現代美術館でのインスタレーションで使用した杉材をリサイクルして作られた縁側に腰を下ろす遠足参加者たち。木漏れ日の中、ひとつのプロジェクトを通して強まった家族の絆を感じる1日となった。

〈たけやだいすけ/キュレーター〉

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