固唾をのんで見守る、熱き冬の戦い

Vancouver 2010

Winter Olympic Games

(2009年12月18日特集記事)

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今年もバタバタするうちにあっという間に年末。過ぎる年を見送って新年を迎えれば、いよいよオリンピック・イヤーのスタートだ。「アレからもう4年もたつのか…」なんて感慨と驚きはさておき、ここカナダで開催される冬季オリンピック、名勝負を見逃さないよう、今からチェック!

舞台は海と山の交わるバンクーバー

バンクーバーが開催地に決定されたのは03年7月のこと。当時、最終選考に残ったのはドラマ「冬のソナタ」のロケ地として知られ、リゾート開発が進む平昌(韓国)、世界遺産に登録された町並みが中世の面影を残すザルツブルク(オーストリア)を含めた3都市。決選投票で平昌を下したバンクーバーは、「最も訪れたい北米の町」と謳われる勇壮な山々と穏やかな太平洋に囲まれた美しい町だ。 今大会では80以上の国と地域が参加し7競技86種目が実施される。ダウンタウンにある北米最大のドーム型スタジアム、BCプレイスでオリンピック、パラリンピックの開・閉会式が行なわれるが、両式典をともに屋内で実施するのはオリンピック史上初めて。またアルペンスキーの会場となるウィスラーは、1960年代に五輪招致を目的に開発された世界有数のスキーリゾート。世界中のスキー選手の来訪を心待ちにしている。 「先住民族の参加と協力」をスローガンの1つに掲げる今大会では、4つの先住民族が公式パートナーとしてカナダ政府らと共にホスト役を務める。3匹のマスコットは北米先住民の神話から、エンブレムにもイヌイットに伝わる人型に石を積み上げた「希望」や「友情」のシンボルInukushuk(イヌクシュク)をモチーフに使用している。雪が音を吸った特有の静けさと広大な自然に抱かれて、歴史に潜む原始の土の匂いを感じる大会になりそうだ。赤く染まった頬と白い息が感動をより深めてくれるだろう。

カナダのメダルラッシュに期待

olympics長野以降、冬季五輪メダル獲得数1位が指定席となっているドイツは06年トリノ五輪でも堂々29個のメダルを獲得した。それを追うのは25個のアメリカ、24個のカナダ、23個のオーストリア、22個のロシアだ。カナダは自国開催したモントリオール(夏季・1976)、カルガリー(冬季・1988)五輪で金メダルが取れず、今回そのジンクスを破るのが目標の1つと言えそう。特に長野五輪で正式種目になったホッケーはお家芸とされ、メダルが期待される。

日本の活躍は?

日本がこれまでに冬季オリンピックで獲得したメダルは金9個、銀10個、銅13個。長野五輪でこそ金5個を獲得したが、前回トリノではフィギュア女子の金1個に終わる寂しい結果となった。だが、現時点で日本代表に内定しているモーグル女子の上村愛子、伊藤みき、男子の西伸幸、フィギュア・スケート男子の織田信成、女子の安藤美姫、それにカーリング女子のチーム青森はメダル獲得が有望視されている。

注目競技その1 フィギュア・スケート

olympics冬季オリンピックの華、フィギュア・スケート。女子、男子ともにかつてない盛り上がりが期待できるだろう。

日本からは安藤美姫、織田信成の両選手が早々に代表内定を決めている。安藤選手は主要国際競技会で4回転を決めた唯一の女子選手。織田選手はひざと足腰を使った柔らかい着氷の美しさが世界でも高評価を得ている。バンクーバーでは両者とも、もちろん金メダルを狙う。

カナダからは、エレガントなスケーティングと力強いジャンブが持ち味のジョアニー・ロシェット選手。トリノ五輪代表で09年の世界選手権2位の実績を持ち、11月下旬に開催されたスケート・カナダでの優勝は記憶に新しい。そして、09年に四大陸選手権で優勝したパトリック・チャン選手はトロント在住の19歳。若手らしく、その成長には目を見張るものがある。明るい人柄と気品を感じさせるなめらかな滑りが魅力的だ。

どの選手も豊かな個性を生かした最高のプログラムで挑むフィギュア。その芸術性はもちろん、男子は迫力、女子は繊細さを堪能してほしい。

注目競技その2  モーグルolympics

スキー競技の1つで、凹凸のある雪の斜面を下り、タイム点、ターン点、エア点の総合点を競うスポーツがモーグルだ。日本代表に内定している上村愛子選手は、その美貌とテクニックで日本におけるモーグルの認知度を上げた立役者の1人。18歳で出場した長野五輪(7位入賞)以来、4大会連続の出場だ。出場のたびに順位を上げており、今大会にも期待が寄せられる。”キング“と呼ばれるモーグルの神、ラハテラコーチの指導で苦手としていたターン技術を強化、昨シーズンはワールドカップの年間総合女王の栄冠を手にした。

その上村の最大の敵となるのは、カナダのジェニファー・ハイル。07シーズンまでワールドカップ総合4連覇、トリノで金獲得とまさにクイーン・オブ・モーグルの彼女は、08シーズンをケガのためにオフとしたものの、復活した08年12月以降の大会で目覚ましい成績を収めている。試合日程も大会2日目と早いことから、大会最初のカナダ金メダルになるのではと期待されており、熾烈な女王争いが予想される。

注目競技その3 カーリング

チーム青森の緻密な計算がバンクーバーに波乱を?

「氷上のチェス」とも呼ばれ、高度な戦略と技術を要するこのスポーツ、98年の長野五輪から正式種目に認定された。スキップ(主将)、リード、セカンド、サードの4人1チームで行なわれ、スキップの指示によってリードから順に相手チームと交互にストーンを滑らせ、ハウス(円)の中心に最も近くストーンを置いたチームが点を得る。

日本からはトリノ五輪でも代表として出場、7位入賞しカーリングを一気に有名にしたチーム青森が代表に内定している。トリノでの中心選手が抜けたあとも、スキップの目黒萌絵選手と共にチームを支えてきた本橋麻里選手は、マリリンの愛称と明るい笑顔で親しまれるチームのセカンド。一度に相手のストーンを2個押し出すパワフルな”ダブル・テイクアウト“が得意だ。また、チーム最年少の近江谷(おおみや)杏菜選手は、この9月のカナダ遠征を期にそれまでのリザーブからサードに抜擢された有望株。父親も長野五輪に出場しており、親子2代の五輪選手だ。

ワールド・ランキングには、女子は1位がカナダ、2位がスウェーデン、3位がスイスと、北国が並ぶ。しかし、前シーズンから4ランクもアップした5位中国と、その中国に先月勝星をあげた日本。見る方にとっては楽しみな、波乱含みの大会になりそうだ。総当たりの予選が行なわれるため、見る機会が多いのもうれしい。

Event Information

The Vancouver 2010 Winter Olympics

The Vancouver 2010 Olympic

【日 時】2010年2月12日(金)〜28日(日)
【場 所】BC Place(777 Pacific Blvd.)など
【入場料】種目により異なる
【連絡先】1-800-842-5387(チケット)
【サイト】オリンピック公式サイト www.vancouver2010.com
【サイト】JOC-日本オリンピック委員会 www.joc.or.jp
【サイト】ブリティッシュ コロンビア州観光局公式サイト
【サイト】http://whatsnew.hellobc.jp

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