告白する展覧会

Confessions of Love

 

(2010年02月05日特集記事)

「Everybody Loves You 2」 exterior view Daisuke Takeya

クイーン・ウエストは、ギャラリーが密集するアートスポット。その中心で縦に交わるオシントン通りには、クラブやバーが軒を並べはじめ、週末には大勢の若者が訪れる注目のエリアに成長しつつある。そのオシントンにあるギャラリーXPACEにて今回、日本の熱い男子2名がバレンタインデーにちなんだホットな展覧会を開催する。

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▲「Everybody Loves You 2」 @ Nuit Blanche 2007 Daisuke Takeya

 

『Confessions of Love』と題されたこの展覧会、日本語に訳すと『愛の告白』。「愛って何だ?」という人類の永遠の問いと、「告白する」という相手に気持ちを伝える行為がテーマの展覧会だ。トロントで制作活動を展開している現代美術家の武谷大介と若手のインスタレーション/映像作家のタダアキ・ホズミが贈るこの2人展は、ラブラブでも哀愁が漂っていても楽しめる、バレンタインデーに相応しい体験型の展会となっている。

武谷の「アイ・ラヴ・ユー」

▲「Everybody Loves You 2」 interior view Daisuke Takeya

武谷は、2007年にニュイブランシュで発表した『Everybody Loves You 2』と、それと対になる花の立体彫刻作品(新作)を発表する。この2つは、彫刻作品でありながら鑑賞者が中に入って作品の一部になるというインタラクティブアート作品で、日本のプリントクラブ(プリクラ)文化に深く影響されている。ブースの中で鑑賞者が「アイ・ラヴ・ユー」と告白、その映像がブース外に投影されて他の鑑賞者と共有される。ビデオカメラに告白する行為は、告白する相手が不在であるからその行為自体は嘘となるが、告白を鑑賞することで真の意味での「愛って何だ?」と問いかけている。対になる彫刻もまた、内部に入った鑑賞者が映像作品の一部として作品の内外を繋ぐ。他に『All you need is love Maybe』というネオン照明の作品も展示される。

▲Tadaaki Hozumi

ホズミのセンチメンタル

ホズミは日本人にはなじみ深い「切ない」という言葉をキーワードに、センチメンタルな作品を発表する。昔の恋人と偶然ネットで再会した時に、ちょうど日本の連続ドラマ(連ドラ)に夢中になっていたことが制作動機となったという。今回の作品は人気ドラマ『世界の中心で愛をさけぶ』に登場する主人公、朔太郎と亜紀のメッセージを運ぶウォークマンを用いたインスタレーション、亜紀が朔太郎に遺品として残していく自作の絵本「ソラノウタ」の復元、そしてホズミ自身が青春時代に書いたラブレターの復元の3部作で構成されている。恋に落ちた時の「高揚感」とその恋が終焉を迎えた時に気付く「時間」という存在が、心の傷を癒すと同時に、痛みの元となった大切な何かをを消し去るという、2つの切ない事実が作品を通して具体化されている。

▲Tadaaki Hozumi

成人してからカナダに移民した武谷とカナダで育ったホズミ、境遇は異なるが、日本のポップカルチャーに影響を受けているという点では共通している。トロントでも日本文化は多くの人々の共感を呼んでいるが、プリクラや連ドラを知らないカナダ人は今展をどう捉えるのだろうか。日本文化を良くご存知のビッツ読者の皆さんには必見の展覧会である。

 

 

Event Information

Confessions of Love

【日 時】 2月12日(金)〜3月13日(土)
     火・水 12:00〜18:00
     木・金 12:00〜20:00
     日 12:00〜18:00
     オープニングレセプション:
     2月12日(金)19:00〜
【場  所】X Pace (58 Ossington Ave.)
【入場料】無料
【連絡先】416-849-2864
【サイト】http://xpace.info

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