The Fringe

Toronto's Theatre Festival

 

(2010年07月02日特集記事)

写真左: The Silent City

予期せぬ出会い、 忘れがたい出会い

『フリンジ』は今年22回目を迎えるトロント最大の舞台芸術祭。
フェスティバル発祥の地はイギリスのエジンバラ。1947年、当時の国際フェスティバルに参加できなかったアーティストたちが周辺のレストランや公園などで作品を上演し、これが「周辺」という意味を表す"フリンジ“の単語を冠するイベントとなった。国際フェスティバルに招待される作品とは異なる魅力を持つフリンジの舞台は人気を呼び、現在では、カナダやアメリカ、日本を含め世界各地で開催されている。
トロントでは1989年よりフェスティバル開始。当初は4か所だった会場も今や27か所に増え、1200人以上のアーティストが参加する大イベントに成長している。
フリンジ・フェスティバルは枠にとらわれない自由な表現を、より多くの人に楽しんでもらうことを目的とした芸術祭。すべての作品は抽選でランダムに選ばれ、主催者の意図など余計なものは含まれない。また、どのショーも11ドル(当日券10ドル)という安価で見られるようになっている。舞台に椅子1つを置いて切々と語る一人芝居からコメディ・ミュージカルにわたる多様な演劇に、ダンスや映像作品が楽しめるフリンジ・フェスティバル、今年の演目数は実に150を超える。いずれも45分〜90分程度と気軽に鑑賞できる長さだ。

なかでもおすすめのショーの1つは『Being at Home with Claude』。舞台は万博でにぎわう1967年7月5日のモントリオール。裁判所では美貌のゲイ、イヴの取調べが行なわれていた。恋人の殺害を自供したにもかかわらず動機をまったく語ろうとしない彼は、逆に裁判官と無理に話し合いをさせるなら、あるスキャンダルをマスコミに暴露すると警察を脅す。警察とマスコミを翻弄するほどのスキャンダルとは?

同性愛が重大な禁忌だった時代、大切な恋人を殺したイヴの動機とは?

何十万という観光客にあふれ、世界中の注目が集まる万博中のモントリオールで警察は問題を無事解決できるのか?

レトロに飾られた、最後まで目が離せない人の心の深淵に触れるサスペンス・ショーに翻弄されてほしい。

もう1つのおすすめはStagehandsによる『The Silent City』。バンドでもあり劇団でもある彼らによる作品は挫折した孤独なソングライター、スタンの物語。世間知らずで、ゆえに自分を過信して偏った成功を追うスタンは、名声を求めエンターテインメントの町、ラコニアに旅立つ。そこは邪悪かつ魅力的な市長に支配され、個性を奪われた町。町の名士たちは顔を晒すことを許されず、仮面をつけなければならない。冒険の終わりにスタンはある選択を迫られる。勢いある魅力的な役者陣がエネルギーに溢れたロック・ミュージカルを披露してくれる。一度聴いたら病みつきになる音楽も必聴だ。

フリンジを楽しむためのポイントは、少しでも興味をひかれたら、ためらわずに試してみること。舞台の魅力は何よりその瞬間にその場所でしか生まれない空気感。そんな一期一会を求めて、この夏は劇場に繰り出そう。

The Silent City

【日 時】6月30日(水)20時30分、7月1日(木)18時45分、 2日(金)17時、3日(土)20時30分、4日(日)18時45分、
5日(月)18時45分、7日(水)18時45分、8日(木)17時、
9日(金)20時30分、10日(土)18時45分、11日(日)17時
【場 所】Bread & Circus(299 Augusta Ave.)
【サイト】www.stagehandsmusic.com

Being at Home with Claude

Being at home with claude

【日 時】7月1日(木)20時15分、2日(金)15時、4日(日)22時、
6日(火)22時30分、7日(水)12時、8日(木)19時30分、 10日(土)16時
【場 所】Tarragon Theatre Mainspace (30 Bridgman Ave.)
【サイト】www.hiroic.com

左から Justine Moritz, David Yenovkian, Geoff Stevens, Marko Pandza,
Nemanja Protic, Mackenzie Zufelt
photo by Ashlea Wessel at Revolver Photography
www.revolverphotography.com

The Naked Ballerina

the nakid ballerina

王立ウィニペグ・バレエ団の元ソリスト、ハリウッド版『Shall We
Dance?』でジェニファー・ロペスのコーチを務めたサラ・マーフィー・ダイソンの人生をベースに、「本当に生きる」ために自分の枠を壊す勇気を見つけたダンサーの物語。

【日 時】 7月2日(金)20:45、3日(土)23:00、4日(日)
20:45、7日(水)16:15、8日(木)12:00、9日(金)
18:15、10日(土)13:45
【場 所】 Theatre Passe Muraille Mainspace
(16 Ryerson Ave.)
【サイト】 www.sarahmurphydyson.com

The Duck Wife

the duck wife

若き主人公は家出した妻を捜索するため、危険を押して厳寒の山々をさまよう。イヌイットの神話を土台にした、ロマンスあり、家族愛ありの情熱あふれる壮大な冒険物語。コンテンポラリーダンスとロック・オペラの迫力も楽しめる。

【日 時】 7月1日(木)23:00、3日(土)15:30、4日(日)
20:45、7日(水)17:45、8日(木)15:30、9日(金) 9:30、10日(土)12:30
【場 所】 Bathurst Street Theatre(736 Bathurst St.)
【サイト】 www.theduckwife.com

Amy Zuch's Key to Key

amy zuch's key to key

エイミー・ザッチ演じる主人公は自他共に認める内向的な性格。スケッチデモンストレーションやアニメ、歌が楽しめるユニークな一人芝居を見届けよう。

【日 時】 7月2日(金)15:30、4日(日)21:15、5日(月)19:00、 6日(火)14:15、7日(水)16:15、9日(金)12:30、 10日(土)20:45
【場 所】 Royal St. George's Auditorium
(120 Howland Ave.)
【サイト】 www.keytokey.ca

Featuring Amy Zuch: Real “before and After" photos of Amy posed beside each other. “Old Amy"- Left, “New Amy"- Right. Original Photography by Lisa Mininni Present day matched Photography by Will O'Hare. Photoshop by Amy Zuch.

The Getaway

the gateway

些細なきっかけでとんでもなくこじれるラブコメディの行方を追え!
大金入りのカバンと田舎者、そして熱心すぎる警察官が織りなす旅路。5席のみのバンでの上演というセッティングも魅力。

【日 時】 6月30日(水)〜7月11日(日)21:00、22:15
※7月6日、9日は21:00の公演のみ
【場 所】 The Fringe Club(581 Bloor St. W.)より発車

Information

The Fringe

Toronto's Theatre Festival

【日 時】 6月30日(水)〜7月11日(日)
【場 所】 Toronto市内参加各所
【入場料】$11(上演3時間前まで)、
$10(各劇場にて上演1時間前より販売)
【連絡先】 416-966-1062、1-866-515-7799
【サイト】 www.fringetoronto.com

ボックス・オフィス

【場 所】 Randolph Academy for the Performing Arts(736 Bathurst St.)
【連絡先】 416-924-2243
【サイト】 www.randolphacademy.com

Other Events

Step

フラメンコの力強さとリズム、インド舞踊を取り入れた美しくも妖艶なモダン・ベリーダンスショー。ダイナミックな音楽とムードに浸れる。

【日 時】 7月1日(木)22:30、2日(金)17:15、 3日(土)15:30、5日(月)18:15、
6日(火)20:45、9日(金)23:00、 10日(土)14:15
【場 所】 George Ignatieff Theatre (15 Devonshire Place)
【サイト】 www.thedarksidestudio.com

Asiansploitation Spanks the Tiger

情熱あふれる抱腹絶倒の舞台は不動産屋と同性カップルの陣取り合戦。そこにおばあちゃんの日常と、紆余曲折の展開が待ち受ける、ちょっと下品で思い切りのいい、オールアジアンによるコメディ作品。

【日 時】 7月1日(木)20:15、3日(土)17:15、4日(日)
16:45、5日(月)14:45、6日(火)22:30、 8日(木)12:00、10(土)19:30
【場 所】 The Annex Theatre(736 Bathurst St.)
【サイト】www.asiansploitation.com

Under the Mango Tree

昨年のバンクーバー・フリンジ・フェスティバルでベスト・オブ・フリンジ賞受賞。夢を追って一人、カナダに移住した父親に置きざりにされた子どもの思慕を切なく描く自伝的作品。

【日 時】 7月1日(木)20:15、2日(金)15:00、4日(日)
22:00、6日(火)22:30、7日(水)12:00、 8日(木)19:30、11日(日)17:15
【場 所】 George Ignatieff Theatre (15 Devonshire Place)
【サイト】 www.underthemangotree.ca

 

 

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