Sony Centre for the Performing Arts

リノベーションで輝くモダンな舞台芸術シアター

(2010年10月15日特集記事)

2008年6月から始まった2年のリノベーションを経て、劇場開設50周年となる今年10月1日にソニーセンター・フォア・ザ・パフォーミングアーツが再オープンした。命名権の移動によりオキーフセンターからハミングバードセンターに、そして今回、ソニーセンターへと変遷してきたこの劇場は、カナダ最大の舞台芸術のためのシアターだ。

総額3000万ドルの大リノベーション

今回のリノベーションで焦点が当てられたのは、この50年の間に加えられた余分な建築を取り除いてピーター・ディキンソンによる1960年当時のエレガントかつ壮大なデザインに戻し、特長である素材のよさを引きたてること。フロントロビーではガラスパネルが取り除かれ、弓形に折上げた天井がオリジナルの姿を見せている。カレラ大理石も磨かれて顔をのぞかせ、ブロンズ製のドアと手すりは再仕上げを施され輝きを取り戻した。

一方、ソニーセンターの個性というべきエントランスの張り出し屋根やロビーの壁画『The Seven Lively Arts』はそのままだ。横約30メートル、縦約4・5メートルの大壁画はカナダ最高の壁画家として称賛されたヨーク・ウィルソンの手によるもので、その名の通り、絵画・彫刻・建築・音楽・文学・ダンス・演劇の7要素がダイナミックに描かれたもの。ロビーに新設されたアートギャラリーではオープニング期間中、ヨーク・ウィルソンの回顧展が開催されているので、ぜひ足を運びたい。

ソニーカナダによる最先端エンターテインメント技術の導入も大きなポイント。最新の「BRAVIA」液晶パネルに加え、さまざまなスクリーンサイズで自由に画像を組むことができるマルチディスプレイシステム「Ziris Canvas」を採用し、高解像度のデジタルコンテンツをより自由な環境で楽しませてくれる。

客席にも大きく手が入り、人間工学と音響学に基づいてデザインされたグレーの座席が据え付けられた。全席カップホルダー付きの客席は、オーケストラ席はゆったりと、バルコニー席は前方に少しだけせり出すように背もたれの角度までが計算されており、ショーをより楽しめるようにと工夫されている。また、側壁の音響設備のグレードアップに加え、手作業で改修された後壁の膨大な数のチェリーウッドとローズウッドのパネルにより音響効果は一層向上。公演を楽しむための準備は万端だ。

さらに、公演日の18時からはエグゼクティブ・シェフのステフェン・リー特製、公演団体の母国にちなんだ料理が楽しめる特設レストランが登場。フードとショーのペアリングは、世界中に劇場は数多しといえど、他に類を見ない。おまけに上階ロビーには16時オープンのバルコニーバーを設置。チケット確認は客席入り口のドア付近でのみとなるため、チケットを持ってなくても誰でも利用できるのがうれしい。

3段階で進められるソニーセンターのプロジェクト、来年よりバックステージ設備や57階建ての住居棟『Lタワー』の建設を含む第2フェーズに入る。その後、最終フェーズは2013年から開始される予定で、外観デザインの更新と新しい広場が建設される予定だ。

ソニーセンター代表はプレスリリースで、さまざまな文化を持つ人が住まうトロントで多くの要望に応えたいこと、そのために世界の多様なパフォーマンスを上演していくと述べた。再び輝きを取り戻したシアターに、煌めきを放つパフォーマーたちのステージを観に行こう。

 

Information

Sony Centre for the Performing Arts
【場 所】1 Front St. E.
【連絡先】 416-393-7469(代表)
     416-872-2262(チケット)
【サイト】 www.sonycentre.ca
※記載の金額には税金・手数料などは含まれておりません。

The Merchants of Bollywood

ある振付師とその孫娘を軸に、古典ダンスを抜け出して羽ばたく若者の姿を描く。出演者40人の衣装3,800 着と2,000点にのぼる宝石に飾られた豪華絢爛なステージは、インド映画・ボリウッドの歴史をアクション、コメディ、ダンスで魅惑的につづる刺激的かつエネルギーあふれるショー。
【日 時】11 月4 日(木)〜 7 日(日)、11 日(木)〜 14 日(日)
14 時/ 20 時(公演日により異なる)
【入場料】$25 〜 94

Robert Lepage's Eonnagata

18 世紀のフランスで、外交官としてもスパイとしても活躍したチャールズ・ド・ビューモント。男性として生まれながら後半生は女性として過ごしたことでも知られる彼を主人公に、「彼が実は両性だったとしたら?」というテーマを掲げる。歌舞伎の女形を用いてジェンダーを追求する演劇ありダンスありの幻想的な舞台。
【日 時】11 月18 日(木)、19 日(金)20 時
【入場料】$39 〜 159

Mazowsze― Music and Dance of Poland

総勢100人のダンサー、歌手、演奏家がポーランド伝統の衣装をまとい、歌と踊りを披露する。設立された1948年から、60年以上にわたりポーランドのソウルを体現してきた彼ら。生命力を感じさせる色の洪水と躍動感あるダンスはただ驚くほどの美しさ。2007 年トロント公演の売り切れ続出に応える今回のステージは見逃せない!
【日 時】11 月20 日(土)16 時/ 20 時
【入場料】$45 〜 80

The Canadian Tenors & Friends― A Christmas to Remember

カナダ出身のカルテット・ボーカル・グループがクリスマスシーズンに帰ってくる! 2007年のデビュー以来、世界のさまざまなステージで歌声を披露してきた彼らは、2010年バンクーバーオリンピックでも開会式を盛り上げた。クラシックからオペラ、ポップスに至る多様なジャンルをカバーする、ときに繊細、ときに迫力ある彼らの音楽は必聴モノ。
【日 時】12 月2 日(木)、3 日(金)20 時
【入場料】$39.50 〜 89.50

Mariinsky(Kirov) Ballet― Swan Lake

『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』など古典バレエの名作を生み出し、多くの大スターを輩出した歴史ある「クラシック・バレエの殿堂」マリインスキー(キーロフ)・バレエ団。気品ある優雅なステージングに定評がある彼らが舞うのは、名作中の名作『白鳥の湖』。儚い物語とチャイコフスキーによる美しい旋律の中に織り込まれたダンサーたちのテクニックに感嘆のため息を。
【日 時】2011年3 月1日(火)〜 6 日(日)14 時/20 時(公演日により異なる)
【入場料】$60 〜 225

Kodo Drummers of Japan

世界を舞台に活躍し、数々の国際イベントやコンサートに出演する「鼓童」。和太鼓を中心に、日本の誇る伝統音楽芸能に無限の可能性を見いだし、さらに現代への再建に挑む彼らの音楽は、迫力も然ることながら俊敏かつ正確で聴衆の度肝を抜く。100分間を休憩なしに続く今回のステージ、日本古来の楽器が放つ圧倒的なリズムを全身で感じてほしい。
【日 時】2011 年3 月11 日(金) 20 時
【入場料】$55 〜 75

 

All Photos: Courtesy of Sony Centre for the Performing Arts(Information上の写真を除く)

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