Luminato

Toronto Festival of Arts and Creativity

受け継がれる物語りの芸術

(2011年06月03日特集記事)

© Manuel de los Galanes

 

今年5回目となるルミナト(Luminato) は、トロント市内がアートで彩られ、人も町も華やぐ10日間の芸術祭だ。舞台に映画、ダンスに音楽、文学やビジュアル・アートなど、とりどりのジャンルを楽しむことができる。「コラボレーション」「アクセシビリティ」「多様性」というフェスティバルの3つの指針は今年も健在。多様なバックグラウンドを持つアーティストたちが技を競い合い、交わることで出来たパフォーマンスがシアターやホールなどを中心とした市内各所で披露される。

特に今年は「物語り」に焦点があてられており、人を惹き付けるパワーを持った作品が多い。カナダ国立バレエ団、イギリスのロイヤル・バレエ団が舞うAlice's Adventures in Wonderland はそうした作品の1つ。言わずと知れたルイス・キャロルの児童文学『不思議の国のアリス』を原作とする、気鋭のイギリス人振付師クリストファー・ウィールドンの新作バレエだ。子ども時代を呼び起こす古典ファンタジーに、精神的な奥深さを潜ませた渾身の今作は北米プレミア。趣向を凝らした舞台セットや衣装も要チェックだ。わくわくする夢の世界に、アリスよろしく家族そろって転がり落ちよう。

また、トロントが誇る世界的建築家ビースリーとそのチームが「建築は生き物になり得るか?」をテーマに空間設計を手掛けた Sargasso もお勧め。物質そのものに生命や魂があるとする古代ギリシャ哲学の自然観に基づいてHylozoic Groundと名付けられたプロジェクトの一環で、彼らが開発した新素材を用いたインスタレーションだ。レースのようにつながれたセンサー内蔵のこの建材は自分で呼吸し、温度や空気の流れなどを調整するインテリジェントな優れもの。この建材を使って作られたのは、海藻が繁茂し船舶が数多く沈没したサルガッソ海域をモチーフにした空間。ダウンタウンの一角が海藻に覆われた水底に変身するとき、私たちの心は、そこにどんな物語りを映すのだろう。

イースト・ミーツ・ウエストな新時代のパフォーマンスも多く、人と人、時代と時代の交わりがたくさんの新しい物語りを生んできたことを実感できる。心のままに町を冒険して、アートな10日間を楽しもう。

 
 

© Philip Beesley Architects Inc.

 
 

Information


Luminato

Toronto Festival of Arts and Creativity

【日 時】 6 月10 日(金)〜 19 日(日)
【場 所】 Toronto 市内各所
【連絡先】 416-368-3100(問い合わせ)
                    416-368-4849(チケット購入)
【サイト】 www.luminato.com/2011

チケット入手方法

開催期間中は電話のほか、David Pecaut Square 前にあるフェスティバルボックスオフィス(270 King St. W.)にて12:00 〜 20:00まで。
各会場のボックスオフィスでも購入可能。
パフォーマンスの2 時間前からオープン。

 

 

▲ Alice's Adventures in Wonderland

【日 時】6 月10 日(金)19:30 〜
                        11 日(土)14:00 〜、19:30 〜
                        12 日(日)14:00 〜
  ※上記はLuminato 開催期間中の上映予定。
    公演自体は現在上映中(6 月25 日まで)。
【場 所】Four Seasons Centre for the Performing
    Arts( 145 Queen St. W.)
【入場料】$21.50 〜 201
  ※チケット購入は416-345-9595、1-866-345-9595
    またはnational.ballet.ca. へ。

▲ Sargasso

【日 時】6 月8 日(水)〜 18 日(土) 終日
【場 所】Allen Lambert Galleria, Brookfi eld Place
                 ( 181 Bay St.)
【入場料】無料

 

Kronos Quartet

 

ジャンルにとらわれない演奏が信条のクロノス・カルテットによるコラボコンサート。アフガンの弦楽器ルバーブのホマユン・サキ、中国琵琶ピーパのウ・マン、そしてアゼルバイジャンの伝統歌唱ムガームの巨匠アリム・カシモフら。

 

© Sebastian Schutyser

【日 時】6 月10 日(金)アリム・カシモフ、11 日(土)ホマユン・サキ、
                        15 日(水)ウ・マン いずれも20:00 〜
【場 所】10・11日The Royal Conservatory(273 Bloor St. W.)
                    15日Jane Mallet Theatre(27 Front St. E.)
【入場料】$51.50 〜 91.50

 

Natural Magick

© Cylla von Tiedemann

デイビッド・ベンによるイリュージョンは、マジックと舞台芸術とを融合させた新提案。手品の歴史にも造詣が深く、数多くの映画やテレビ番組のマジック指導に携わってきた研究熱心な彼の魔法の指先から目が離せない!
【日 時】6 月10 日(金)〜 12 日(日)、14 日(火)〜 16 日(木)
                    いずれも20:00 〜
【場 所】Tarragon Theatre's Mainspace
                    (30 Bridgman Ave.)
【入場料】$36.50 〜 41.50

One Thousand and One Nights

© Sophie Austin

中世イスラムの世界を生き生きと描くアラビアの説話集「千夜一夜物語」。女性不信の王のため、夜毎シェヘラザードが語った詩的かつ官能的で機智に富んだ物語が、ハイクオリティーな大人向けの舞台に変身。
【日 時】6 月11 日(土)、12 日(日)、14 日(火)〜19 日(日)
                       14:00、19:00 〜(日によって異なる)
【場 所】The Joey and Toby Tanenbaum Opera Centre
                    (227 Front St. E.)
【入場料】$30 〜 207

Confluence

© Elliot Franks

アクラム・カーンとニティン・ソーニーによるダンスと音楽のパフォーマンス。足首に鈴をつけて旋回するインド古典舞踊カタックにコンテンポラリーダンスを融合させたカーンのダンス。そして各国の音楽をミックスした魅惑的なソーニーのサウンドを一度に味わうことができる。
【日 時】6 月16 日(木)〜 18 日(土)20:00 〜
【場 所】MacMillan Theatre( 80 Queen's Park)
【入場料】$31.50 〜 71.50

LU XUN blossoms

© Shanghai Dramatic Arts Centre

アヘン戦争、日清戦争、第1 次世界大戦と激動の時代を生きた中国の文学家、魯迅(ろじん)のユーモアと愛情、風刺豊かな短編5作を舞台化。カナダのシアター・スミス・ギルモアと上海ドラマチック・アートセンターによる共演。
【日 時】6 月15 日(水)〜 17 日(金)20:00 〜
                             18 日(土)14:00 〜、20:00 〜
【場 所】Isabel Bader Theatre( 93 Charles St. W.)
【入場料】$46.50 〜 56.50

 

1000 Tastes of Toronto

トロントの人気レストランの料理が1皿5ドルで堪能できる、大好評の食のイベントが今年も開催。各国の料理が一堂に会し、一流シェフの味を気軽に楽しめるチャンス。あれこれ食べ比べてみたい!

 

【日 時】 6 月18 日(土)12:00 〜 21:00
                             19 日(日)12:00 〜 18:00
【場 所】 John St.(Adelaide St. W. 〜 Wellington St. W. 間)
【入場料】無料

 
 
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