古都と田園が奏でるハーモニー

Florence

フィレンツェ

(2011年03月04日記事)

写真:©イタリア政府観光局 Fototeca ENIT

イタリアの古都、フィレンツェ。トスカーナ州の州都であるこの街は、ミラノから列車に揺られること約2時間で到着する。古代ローマ人が「花の女神フローラの町」と呼んだことに由来するこの街は、英語ではフローレンスと呼ばれ、その名が示すように花のような美しい魅力に溢れている。それは、メディチ家による庇護の下、ルネサンス文化の中心地として、学術と芸術の花が開いたからに他ならない。その一方で、フィレンツェ郊外は、農業を営む宿泊施設のアグリツーリズモ(アグリコルトゥーラ= 農業と、ツーリズモ=観光を合成した造語)が盛んな地として有名で、イタリアのスローライフを楽しめる。古都と田園、2つの異なる魅力を持つ街、フィレンツェを紹介していきたい。

時空間を超える街フィレンツェ

中世ルネサンスで文化の栄華を誇ったフィレンツェ。著名な美術館や博物館はもちろんのこと、街にアクセントを与える優美な建物の存在感も素晴らしく、「街全体が博物館」、「屋根の無い博物館」とも評される。それは、かの有名なサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のドゥオーモや鐘楼、そしてヴェッキオ宮殿、ポンテ・ヴェッキオなどの壮麗な印象の建造物を目にすることで納得が行くであろう。さらに、ウフィツィ、アカデミアなどの美術館を訪れると、誰もが一度は教科書で目にしたような作品達に出逢うことが出来る。そんなアート好きには堪らない魅力を持った街は、中世で時間が止まったような石造りの建物と石畳の道、そして全ての建物が赤茶色の屋根に統一されている。そのため、この街の魅力は是非、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のドゥオーモの展望台から俯瞰することで体感して欲しい。360度、見渡す限り赤茶色で調和された世界がそこには広がる。ふと自分が何世紀を生きているのか分らなくなるような、そんな不思議な錯覚に陥る場所だ。ここを訪れるならば出来るだけ朝早い、まだ観光客の少ない時間帯をお勧めしたい。展望スペースは驚くほど狭く、時間が経つとあっという間に人で埋め尽くされてしまうからだ。

朝の静寂に包まれ、街が本格的に動き出す前のフィレンツェを眼下に見下ろす時、この街が数百年の時空を経ても、ルネサンスの息吹をそのままに伝えていると感じ取ることができるだろう。

アグリツーリズモでスローライフを楽しむ

古都のイメージとは結びつかないかもしれないが、フィレンツェのあるトスカーナ州は、前述のようにアグリツーリズモの地としても有名。イタリア全土の5分の1のアグリツーリズモはここトスカーナ州にある。また、フィレンツェのあるアルノ盆地は肥沃な大地を持ち、オリーブオイルやワインの名産地としても知られている。従って、ほんの少し郊外に足を延ばせばブドウ畑やオリーブ畑の田園風景が広がっている。豊かな自然で育まれた果実の収穫を手伝ったり、ワインセラーを見学したりなど、アクティビティも満載。ゆっくりとした時間の流れに身を任せ、トスカーナの土地で育った新鮮な食材を味わう、 そんな贅沢な時間がアグリツーリズモでは楽しめる。

全く異なる2つの魅力を併せ持つフィレンツェ。イタリアでの休暇を楽しむなら、ここで悠久の時間を味わってみてはどうだろう。

〈文/児玉 清隆〉

information

● イタリア政府観光局
www.enit.jp/city/firenze.html


詳細マップは下を参照

 

Florence (フィレンツェ)

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